5.0GHzの「Core i7-8086K」と「Core i9-9900KF」でゲーム性能に差があるのか検証してみた!
インデックス
Core i7-8086K と Core i9-9900KF の違い
Core i7-8086K | Core i9-9900KF | |
コア/スレッド数 | 6/12 | 8/16 |
基本クロック速度 | 4.0 GHz | 3.6 GHz |
最大ブースト速度 | 5.0 GHz | 5.0 GHz |
L3 Cache | 12 MB | 16 MB |
まずはCore i7-8086K(以下8086K)と Core i9-9900KF(以下9900KF)の違いを見てみる。これらのCPUの性能に差が出るとしたら、コア/スレッド数の違いだろう。ベンチマークソフト「cinebench 15R」の結果を見ると、8086Kが1404cb、9900KFが2040cbで、9900KFは8086Kの約1.4倍の性能であることが分かる。
しかし、実際にゲームでこの性能の差が体感できるのかは微妙なところである。特に3Dゲームの快適性はビデオカードの性能に大きく依存しているので、ゲームを快適に動作させたいのであればCPUよりビデオカードの性能の方が重要になってくる。
検証に使うパソコンの構成
マザーがZ370だが、BIOSは最新なので9900KFは動作するようになっている。CPUは定格動作、メモリ速度は9900KFのネイティブ速度である2666MHzに設定。ビデオカードは、コスパに優れるZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 Twin Fanをそのまま使用する。ベンチマークソフトは「FF14 漆黒のヴィランズ」を使用する。解像度設定はフルHD(1920×1080)、品質設定は最高品質にする。
CPU | Core i7-8086K / Core i9-9900KF |
CPUクーラー | サイズ 風魔弐 SCFM-2000 |
メモリ | CORSAIR VENGEANCE LPX Series DDR4-2666MHz 8GB×2枚 |
マザーボード | ASRock Z370 Extreme4 |
電源ユニット | Seasonic PRIME Titanium 850W |
ビデオカード | ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 Twin Fan |
PCケース | Fractal Design Define R6 |
ストレージ | Samsung SSD 256GB 950 PRO / WD Blue SSD 1TB 他 |
検証
まずは6コア12スレッドの8086Kで走らせた結果がこちら。
16000を超えで非常に快適。ちなみに、16000~17000だと前世代のGTX 1080と同等のスコア。最新の重いゲームをやらないならRTX 2060で十分だろう。
次に、8コア16スレッドの9900KFで走らせた結果がこちら。
見よ!この性能!コア数増えただけで900も差が開いた!
コア数の違いがゲームの快適性に影響することはこの検証で分かった。でも、この差を実際に体感できるかというとやっぱり微妙。この差の為に高価なCPUを買い換えるのはおすすめできない。
あと、他のゲームのベンチマークも色々と試すべきなんだろうが、ゆるいブログなのでそこまでやらない。面倒です。
次にRTX 2080に交換して検証しようとしたのだが、ここで問題発生。マザーボードとの相性が悪いのかOSに不具合があるのか不明だが、ドライバが上手く動作しなかった。なので、RTX 2080に関しては以前に取ったデータがあるので、それを載せることにする。
RTX2080の検証に使用したパソコンの構成
CPU | Core i7-8086K / Core i9-9900KF |
CPUクーラー | DEEPCOOL GAMER STORM ASSASSIN III |
メモリ | OCMEMORY SK hynix C die DDR4メモリ DDR4-3600 8GB×4枚 |
マザーボード | ASUS Z390 ROG MAXIMUS XI HERO |
電源ユニット | Seasonic PRIME Titanium 1000W |
ビデオカード | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING |
PCケース | Fractal Design Define R6 |
ストレージ | Samsung NVMe SSD 960 PRO 他 |
言うまでもないが、CPUは定格動作。メモリが3600MHzのオーバークロックメモリだが、ベンチ中の速度は手動で2666MHzに設定してある。
検証 パートⅡ
まずは6コア12スレッドの8086Kで走らせた結果がこちら。
18000辺りは行って欲しいところだが・・・。RTX 2080クラスになってくると、フルHDの設定では負荷が軽くてあまりスコアが伸びないのかも知れない。実際、GPU-Zで確認してみると、シーンによっては使用率が50%以下まで落ちることが多々ある。
次に、8コア16スレッドの9900KFで走らせた結果がこちら。
こちらも900程の差があった。やはり最近のゲームはCPUのコア数は重要のようだ。環境によってはスコアは前後すると思うので、検証結果は参考程度にお願いしたい。
まとめ
8086Kは速度5.0GHzという驚異的なCPUで、これ以上ゲームに適したCPUはなかなか無い。ゲームに関して言えば、発売当初は間違いなく最強のCPUだった。しかし、最新世代の8コア16スレッド 9900KFには敵わない。コア数が増えただけでここまで差が開くとは思わなかった。
だからといってコア数が多ければ良いのかと言ったらそうではない。ゲーム性能を求めるなら速度も重要なのだ。管理人は仕事用のパソコンにThreadripper 1950X(16コア32スレッド)を使用しているのだが、このパソコンでゲームをやると明らかに8086Kのパソコンより動作が重い。1950Xの最大速度は4.0GHzなので、8086Kと比べるとシングルスレッド性能では大きな差があるのだ。
今回の検証では9900KFの方が良いスコアが出ているが、実際にゲームをやっていて8086Kが大きく劣っているとは思わない。最近のゲームはマルチコア性能が重要だが、やはりシングルスレッド性能が高いCPUの方が、まだまだ優位な状態にあると言える。
余談だが、ライバルであろうRYZEN 9 3900Xや3950Xのマルチコア性能は圧倒的で、クリエイティブな用途では8086Kや9900KFは全く太刀打ちできない。最近のRYZENは高性能で、ゲーム性能も一世代前のRYZENと比べてかなり高く、インテルと同等と言って差し支えない。これからパソコンを組もうと思っているのであれば、個人的には最新世代のRYZENをおすすめする。ゲームしかやらないのであればCore i9-9900K(KF)やCore i7-9700Kで良いだろう。
おまけの検証
同じGPUを搭載したビデオカードで、コスパを重視したモデルとスペックを重視したモデルで違いがあるのかを検証してみた。比較するビデオカードは、最初の検証で使用した「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 Twin Fan」(以下、ZOTAC RTX 2060)と、別に用意した「ASUS ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING」(以下、ROG RTX 2060)の二つ。
それではビデオカードの性能を検証する。CPUは9900KF、メモリ速度は2666MHzのまま。
ZOTAC RTX 2060のスコアは最初の検証で17516だったので、性能はほぼ一緒と言って差し支えない。ZOTAC RTX 2060はオーバークロックモデルではないのだが、何故かクロックが1900MHz辺りまでブーストする。ROG RTX 2060のベンチ中クロックは1900~1960MHz辺り。
一見すると両者は同じ性能なのだが、これはクーラーの冷却が追いついている状態での話。ZOTAC RTX2060は70℃辺りまで温度が上昇するが、ROG RTX 2060は最高で56℃だった。流石、コスパを無視したモデルである。
両者はクーラーの性能に大きな差がある。今の時期は寒いので温度が低めだが、真夏の30℃近い環境で測定すれば、スコアに差が出るだろう。70℃程度ではサーマルスロットリングは発生しないので、どちらもほぼ100%の性能を発揮している。
そして、クーラーの違いはファンのノイズにも現れる。ZOTAC RTX 2060はコンパクトなモデルの割にクーラーが優秀なので、ベンチ中でも比較的静かだが、ROG RTX 2060に比べるとやはりうるさく感じてしまう。静かな方が良い人は、クーラーに余裕のあるモデルを選ぼう。
