「Core i9-9900KF」が当たりCPUなのか検証してみた

サブPC用に購入した9900KFが調子良いので、当たりCPUなのか軽く検証する。

検証方法について

まずは大雑把に当たりかハズレなのかを見分ける方法として、UEFI(BIOS)でVIDを確認する方法がある。この個体は定格状態でのVIDは0.995Vだった。ネットで調べた限りVIDは1.000Vを超えているものが多いようなので、管理人の個体はなかなかの当たりCPUな気がする。この数値は9900Kのものであり、他のCPUだと違ってくるので注意。

Core i9-9900Kが当たりかハズレか気にする人はオーバークロックする人が多いと思うので、一般的な設定であろう倍率50(全コア5.0GHz)コア電圧はマニュアルモード(電圧固定モード)に設定する。検証に使うベンチマークソフトはCINEBENCH R15で、1回では信憑性に欠けるので、5回ほど連続で実行してみる。

クーラーは「DEEPCOOL GAMER STORM ASSASSIN III」を使用する。

500 - 坪何捲暦匂危列。

検証

以前検証したとき、5.0GHz@1.25Vで余裕だった。以下のスクショはその時のもの。

ASSASSIN3_i9-9900KF5GHz_125V_1.jpg ASSASSIN3_i9-9900KF5GHz_125V_2.jpg

まだまだ余裕がありそうなのでコア電圧を1.24Vに設定してみたところ、あっさり通過。1.23Vでもスコアが落ち込むことはなく普通に走る。これは1.20Vでも行けるんじゃない?と試したところ、ベンチ実行して2秒でフリーズ。チキってメモリ動作周波数を2400MHz、VCCIOとSystemAgentを念の為デフォルトの電圧に手動で設定。コア電圧を1.225Vに設定したところ・・・

ASSASSIN3_i9-9900KF5GHz_1225V_1.jpg ASSASSIN3_i9-9900KF5GHz_1225V_2.jpg

あれ?スコア低くなってね(´・ω・`)?

電圧不足でクロックが下がってしまったのだろう。なぜかパッケージ温度が急上昇。コア電圧下げたのに消費電力は増えているし。ロードラインキャリブレーションがAutoのままなので、Level7とか8になっているのかも・・・。何回か試してみると、スコアが落ち込まないときもあるのだが全く安定しない。この個体の場合、全コア5.0GHzでギリギリ動作可能なコア電圧の下限は1.23Vなのだろう。安定性を取るのであれば1.25Vがベストかと思う。

次に、倍率を上げて全コア5.1GHz、コア電圧を1.30Vにしてみたところ・・・

ASSASSIN3_i9-9900KF5100MHz_13V_1.jpg ASSASSIN3_i9-9900KF5100MHz_13V_2.jpg

あらまー、普通に走ったよ。何回実行しても安定している。温度は80℃辺りなので、このクーラーであればこのまま常用可能。GAMER STORM ASSASSIN IIIすごいなぁ。

しかし、コア電圧を1.30Vのまま全コア5.2GHzにしたところ、OSは起動するものの、CINEBENCH R15は完走しなかった、無念・・・。

まとめ

ググって調べてみると、全コア5.0GHzだとコア電圧1.27~1.30Vの個体が多いようなので、この個体はまだ良い方なのかも知れない。電圧1.35V以上になると空冷での検証は危険なので、これ以上は大型の簡易水冷か本格水冷じゃないと厳しい。とりあえず、ハズレの部類ではなさそうなので一安心。あまりに回らないようであれば、おかわりも考えていたので。

余談

Core i9-9900Kは5.3~5.4GHzが壁になっているようで、管理人が所有している個体では5.4GHzだとコア電圧1.40VにしてもCINEBENCH R15は完走しなかった。もっと昇圧すれば走るかも知れないが、正直なところコア電圧1.40V以上だと壊れるリスクが高まるので常用は厳しい。当然だが、空冷クーラーでは冷却不足なので水冷にしている。

9900Kのオーバークロックで簡易水冷クーラーを使用するのであれば、280~360mmサイズのもので十分に冷却可能。しかし、240mmサイズ以下の簡易水冷クーラーはハイエンド空冷クーラーより冷えないものが多く、120mmサイズのものは虎徹よりも冷えない。また、Core i7-8700K等のグリスを使用しているCPUは、どんなに良いクーラーを使用してもオーバークロック状態で十分に冷却することは難しいので、コア電圧1.30Vを超えるような設定では殻割り液体金属化が必要になる場合もある。

9900K 5.3GHz@1.40Vの場合、CPUパッケージ温度はベンチマークの種類によっては90℃まで上昇する。水冷であれば冷却性能は余裕のはずなのだが、ソルダリングの割にあまり冷えないように感じる。ググって調べてみたら、CPUヒートスプレッダの容量が不足しているということが分かった。コア電圧1.40Vで水冷の冷却が追いつかないということは無いので、LGA115xサイズのヒートスプレッダだと8コア16スレッド辺りが限界なのかも知れない。プロセスルールが現状のままであれば、これ以上コアが増えると空冷では厳しいだろう。まぁ定格動作で使用するのであればまったく問題ないし、今後インテルが冷却性能の為にヒートスプレッダを改良する事は無いと思う。基板も薄くなったままだしね。

mainpc_1.jpg

ちなみに、この水冷PCについているCPUはCore i9-9900Kで、今回の検証で使用したCore i9-9900KFとは別である。9900KFがどれくらい回るのか気になるので、メンテナンスするときにでも入れ替えて検証しようかと思う。

最近は最新世代のRYZENが世間の注目を集めており、特に、12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xの性能は圧倒的。今後、16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xが発売されるかも知れないので、このままではインテルとの差は開く一方。

インテルは全コア5.0GHz動作のCore i9-9900KSを発表したが、今のAMDには対抗できないだろう。9900Kを全コア5.0GHzで動作させれば性能は同等だと思うし、物理的なコア数が同じなら9900Kを持っている人はそれ程魅力を感じないと思う。余程の信者でも無い限り。

インテルのハイエンドCPUは動作周波数が高く、オーバークロックでの伸びしろがあるということがAMDに対するアドバンテージになっている。しかしながら、性能の割に価格が高く、コストパフォーマンスは良いとは言えない。最新世代のRYZENと比較すると、総合性能では遅れを取っている。オーバークロックやゲームでの絶対的な性能を求めないのであれば、個人的にはRYZENシリーズ一択。高性能でコスパの優れるパソコンを組みたいのであれば、しばらくはインテルのCPUは選択肢に入らないだろう。

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