Steam専用PCを作ってみた!

でかいテレビでゲームをしたいので、Steam専用のゲーミングPCを自作するお!

能書き

普段、管理人がPCゲームをするときはメインPCかサブPCでやるのだが、どちらも接続しているモニターが34インチのウルトラワイドモニターである。一般的なアスペクト比 16:9のモニターと比較すると、ウルトラワイドはアスペクト比 21:9と横に長いので、この解像度に対応していないゲームでは左右に黒帯ができてしまう。ウルトラワイドモニターが販売されるようになってからしばらく経つが、まだまだ一般的ではないのだろう。PlayStation 5もウルトラワイドには対応していないし、時代は4Kである。

作業用としてはとても使い勝手の良いウルトラワイドモニターであるが、ゲームに限って言えば一般的なアスペクト比16:9のモニターの方が使いやすい。部屋にPS5用の55インチ4Kテレビがあるので、ゲーム用PCを1台組むことにした。簡単に説明すると、Steam専用PCである。

まずはどの程度のスペックにするのかを考える必要がある。以下がその条件。

  1. ネイティブ4Kで快適に動作する。
  2. 静音性はなるべく高い方が良い。
  3. メインPC及びサブPCと互換性を持たせるためパーツはATX規格で統一する。

たったこれだけである。多くは望まない。

まずは1の条件であるが、いきなりハードルが高い。接続するテレビが4K@120Hz(HDMI 2.1)の入力に対応しているので、これに合わせると高性能なものが求められる。昨年9月にNVIDIAから「GeForce RTX 40」シリーズが発表されたのでずっと気になっていた。ゲーム用PCではビデオカードの性能が一番重要なので、ここは妥協できない部分である。現時点で、RTX 4090、RTX 4080、RTX 4070 Tiが販売されている。4KをターゲットにするならRTX 4080以上が良いだろう。

自作PCに詳しい人であれば周知かと思うが、パソコンのパーツは二人三脚である。一点豪華主義だと性能は出ないので、ビデオカードを高性能にするのであれば、その他のパーツも高性能なものが必要になる。

2の条件だが、最近のビデオカードはクーラーの容量が大きく静音性が高いものが多い。静音ケース(窒息ケース)でノイズを無理やり押し込める手法はもはや過去のものとなった。ハイスペックPCの場合、エアフローの良好なケースに風量と静圧の優れたケースファンを組み合わせる方が静音性が高いので、今回は冷却重視の構成にする。

そして最後に3の条件である。スペースの問題で縦長のITXケースで組もうかと考えたが、小さいPCケースは色々と問題が多い。ハイスペックな構成にするなら尚更である。他のパソコンとパーツの互換性があれば何かあったときも対処が簡単なので、普通のミドルタワーケースで組むことにした。

選定したPCパーツ

パソコン構成
CPU intel Core i9-13900K
メモリ G.Skill DDR5メモリ DDR5-7800 32GBKit
マザーボード ASUS ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI
ビデオカード ASUS ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X
ストレージ Western Digital WD BLACK SN850X
電源ユニット SilverStone HELA 1200R Platinum
PCケース NZXT H7 Flow

記事の最後に、これらパーツのAmazonリンク有り。

1週間ほど検討した結果、上記ような構成になった。1週間と言ってはいるが構成に関しては2日程度しか考えておらず、単にパーツの調達に時間がかかっただけである。マザーボードとビデオカードを個人的に一番好きなASUS ROGブランドで統一してみた。最近はmsiとASRockに浮気していたしね。そういえばGIGABYTEをしばらく使っていないな。

intel Core i9-13900K

CPUはここ最近AMD Ryzenシリーズをメインで使用していたので、久しぶりにインテルにしてみようと思った。現在のインテルCoreシリーズは第13世代で、第10~11世代のものと比較するとかなり高性能になっている。あの頃のインテルはオワッテル状態で、正直言うと使う気が起きなかった。ライバルのRyzenが優秀すぎてね(´・ω・`)

タイミングが良いのか今は「Core i9-13900KS」が数量限定で販売されているが、有志のレビューを見ると13900Kと比較して性能に大差はない様子。まぁスペックを見れば予想できるが。わざわざ扱い難いKSを買う必要はないだろう。13900Kも扱い難そうだが。

ゲームをやるだけなら「Core i7-13700K」「Core i5-13600K」辺りでも全く問題ないと思う。13900Kは発熱が酷いので、扱いやすさを重視するならハイエンド空冷クーラーで冷却が追いつく13600K一択である。メーカーに拘らなければ「Ryzen 7 7700X」が最適か。尚、管理人が13900Kを選んだ理由は、単にパッケージが格好良いので欲しかっただけである。

ASUS ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X

一番重要なビデオカードはRTX 4090を選んだ。現時点でこれ以上の性能のGPUは一般的に存在しないので、性能が足らなくても不満が出ることはないだろう。下位のRTX 4080も悪くはないが、全体的な性能がRTX 4090の6割程度である。しかし、価格が何故か高めの設定なので、RTX 4080よりRTX 4090の方がコスパが良い。RTX 4080に20万円出せる人がRTX 4090に30万円を出せない訳がない。そりゃRTX 4090の方が売れるよね。エンスージアスト向けの製品でコスパを語るなとか言われそうだが、とても重要なことである。

この「ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X」は希少なのか発売後から現在まで入手困難である。今回入手できたのは単に運が良かったのだろう。性能や品質が価格に見合っているかはさておき、見た目がとても気に入ったので水冷にしないで使うつもりである。

ASUS ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI

マザーボードはビデオカードと同じROG STRIXにした。上位モデルに「ROG MAXIMUS Z790 HERO」などがあるがどこにも在庫がなかった。この記事を書いている時には在庫が復活していたので買おうかと思ったが、マザーボードはそこまで重要ではないので、ある程度のスペックなら十分である。「ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI」は、管理人の欲しい機能をすべて満たしている。

ちなみに、このマザーボードの価格は購入時6万円台半ばだったが、これでも位置付けはミドルレンジである。輸送費高騰、銅の高騰、円安の影響など様々な要因があるが、高性能なCPUやメモリなどに合わせた設計がコストを上げる一番の要因になっているだろう。まぁ今までのマザーボードが安すぎただけなのかも知れない。

G.Skill DDR5メモリ DDR5-7800 32GBKit

今回選んだマザーボードのメモリ規格はDDR5である。コスパ重視であればDDR4に対応したマザーボードを選ぶが、折角高性能なパーツで組むのでDDR5は譲れない。用途がゲームなら定格動作(4800や5600)の安価なモデルで十分だが、クリエイティブな用途(画像や動画の編集等)では高性能なメモリの方がより快適になる。とりあえず、後でオーバークロックをして遊ぶかも知れないので速度7800のモデルを選んだ。メモリは速度とレイテンシの仕様で価格に大きな差があるので、拘りがなければ定格動作のもので十分だと思う。ゲームだとメモリの性能差はあまり体感できない。容量に関してはゲーム用途なら32GBあれば問題ない。16GBだと場合によっては足らなくなるかも。

メモリの詳細

このメモリ、XMPを読み込んだだけでは7800MHzで安定動作はしないだろうと思ったが、実際に起動したらブルースクリーンが多発した。少しレイテンシを緩め、7000MHz動作でWindowsメモリ診断を実行したが、この状態だとエラーは検出されなかった。安定性を重視するなら7000MHz辺りが丁度良い。この辺りはCPUの個体差も影響するのでスペック通りに動作しないことは良くある。今後、BIOSが更新されれば少しずつ安定性が上がるだろう。

Western Digital WD BLACK SN850X

ストレージは定番の「WD BLACK SN850X」にした。容量は2TBを選択。2個あるのは、メインストレージとサブストレージに分けるからである。つまり、メインはOS、アプリ、ゲームなど、サブは優先度の低いゲームやその他データ保管に使用する。当然だが、メインのSSDはCPU接続のM.2スロットに取り付ける。まぁハードな使い方はしないのでどのスロットに付けてもZ790なら大して変わらないと思う。

しばらく待てば次世代規格であるPCIe 5.0に対応したSSDが各メーカーから出揃うと思うが、正直待っていられない。顧客は常に今すぐを望んでいるのである。

SilverStone HELA 1200R Platinum

ビデオカードがRTX 4090なので、電源ユニットはATX 3.0に対応したものが望ましい。ネイティブ16ピンPCIe 5.0コネクター(12VHPWR)を搭載したATX 3.0対応の電源はまだ少なく、この16ピンコネクターから600Wの電力を供給可能なものとなると更に選択肢が狭まる。RTX 4090は最大TGP 600Wなので、どうせならちゃんと合わせたい。GPUのオーバークロックをしないのであれば16ピンコネクターの供給が450Wのもので問題ない。

数える程度のラインナップから選んだのはSilverStoneの「HELA 1200R Platinum」である。この電源ユニット、ファンの動作が非常に静かなのだ。変な軸音はないし、ファンの回転数が乱高下することもない。もちろん、負荷が非常に高い場合はそれなりのファンノイズを発するが、ゲームではそんなに電力を消費しないので問題ない。ケーブルはフラットタイプ(12VHPWRのみメッシュスリーブ仕様)なのでPCケースにも組み込みやすい。

最後に、LGA1700環境では必須と言えるパーツがある。このソケットに対応したCPUは長方形であり、正面から見て固定部分が左右2箇所のみなので、CPU上下の両端がピンの圧力に負けて反ってしまう残念仕様である。この曲がりを軽減するにはソケットのCPU固定金具をサードパーティ製のパーツに交換する必要がある。

※CPU固定金具の交換はメーカー保証が効かなくなる可能性が大なので、やるなら自己責任で。

ElecGear LGA1700曲げ防止フレーム

上の画像は実際に「ElecGear LGA1700曲げ防止フレーム」というパーツを取り付けた状態。CPUヒートスプレッダーのフチ部分を全体で押さえつけて固定する構造になっており、元の固定金具より明らかにCPUに対する負担が少ない。個人的には必須パーツである。管理人がPS5にSSDのヒートシンクを取り付ける記事をアップしたが、その時に取り付けたヒートシンクもこれと同じElecGear製である。

PS5(CFI-1200)に「WD_BLACK SN850」と「ElecGear EL-P5C」を取り付けてみた!
新型のPlayStation 5に、大容量M.2 SSDと定番ヒートシンクを取り付けるでござる!の巻。

このメーカーの製品は高品質なので個人的におすすめである。この曲げ防止フレームは、CPUのヒートスプレッダーに接触する箇所にガスケットが貼り付けられており、CPUに優しい作りになっている。

完成

組み立て方法を紹介する記事ではないので、作業手順は省略。

完成と謳っているが、実は仮組状態である。13900Kをこのまま空冷で使うような愚かな事はしない。後で水冷(本格的な方)にするので、異常がないか、安定して動作するかなど1週間程度確認する。水冷ならどれも大して変わらないと思う人がいるかも知れないが、簡易水冷(AIO水冷クーラー等)と本格水冷では全く異なる。13900Kは360サイズのAIO水冷クーラーでも余裕で100℃に到達するので(ベンチ台で確認済み)、性能をフルで使いたいなら本格水冷の環境は避けて通れない。このまま空冷で使用するのであれば、13900KのCPUパッケージ温度が85~90℃を超えないよう電力制限(概ね200W以下)を設定しておけば良い。

仮組状態ではあるが、Noctuaのハイエンド空冷クーラーとケースファンを取り付けてあるので、冷却性と静音性は大変良好。適切に調整すればこの状態でも快適に使用できる。見た目に関しても、ハマる人にはハマるビジュアルだと思う。なんかもうこれでいいかなと思ってきた(´・ω・`)

でかいビデオカードを支えているGPUサポートは50~80mmの長さで調整可能なものを使用している。付属品のGPUサポートは見た目が好みじゃなかったので別に用意した。このPCケースみたいに電源ユニットと仕切りがある場合、ビデオカードが3スロット以上の厚みだとAmazonなどでよく出回っている長さ74mm以上のものは長過ぎて入らないと思う。ちなみに、ビデオカードの下に付いている拡張カードは動作確認用のSSDである。

次回に続く・・・かも知れない。水冷パーツも一緒に用意してあるので。

↓続きをアップした↓

Steam専用PCを作ってみた! #2
今回は自作したSteam専用PCの水冷化作業なんだな。
Steam専用PCを作ってみた! #3
親和産業から販売されている「【長尾製作所】PCIスロット用120㎜ファンステイPRO 改」を取り付けてみた。

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