「carrozzeria PRS-D800」デジタルパワーアンプを取り付けてみた!【ホンダ ヴェゼル】

小さいのに高出力なデジタルパワーアンプ「PRS-D800」を買ってみたのでクルマにとりつけるお!

能書き

この項目は大抵の人にとってどうでもいい内容なので、興味が無い人は次の項目へ。

以下の表は、現在のオーディオ構成。パーツのリンク先はAmazonなので注意。

現在のオーディオ構成
メインユニット carrozzeria AVIC-CL911-DC
フロントスピーカー carrozzeria TS-C1730S
リアスピーカー carrozzeria TS-C1730
スピーカーバッフル carrozzeria UD-K614 (フロント&リア)
サブウーファー carrozzeria TS-WX70DA
追加パワーアンプ 無し

今現在使用しているメインユニットは2020年モデルのサイバーナビで、内蔵アンプを利用して同社のCシリーズスピーカーを鳴らしている。

サイバーナビの内蔵アンプはとても優秀で、普通に聴く分には不満が出ることはない。しかし、管理人が思っていたよりもCスピーカーが優秀だったので、内蔵アンプだと性能をフルで発揮できていないのではと感じていた。理由のひとつとして、小音量時にスピーカーをドライブさせるパワーが不足している気がするという事である。以前取り付けていたアルパインのDDリニアと比較すると、Cスピーカーは明らかにコーンのストロークが短い。Cスピーカーに採用されているコルゲーションエッジが硬めなのが原因なのかも知れないが、同じ内臓アンプで比較すると小音量で音が良いのはアルパインの方である。逆に、音量を上げるとCスピーカーの方が音が良い。音量を上げればしっかり鳴るので問題はないのだが、管理人は運転しているときに音量はあまり上げないタイプである。システムは変えないで小音量時の改善をしたいので、パワーアンプを追加することにした。(注:本文には主観的な意見が含まれます。)

タイトルの通り、真っ先に候補に上げたのは「carrozzeria PRS-D800」デジタルアンプである。パワーアンプは大きく分けてアナログアンプとデジタルアンプの2つがある。音質を追求すると高価格帯のアナログアンプ(PRS-A900等)になるのだが、最近のデジタルアンプは音質が良くなってきているし、PRS-D800なら本体がコンパクトで設置性が優れている。個人的にシート下や見える所には設置したくないので、ラゲッジスペースにあるアンダーボックスに入るサイズが好ましい。PRS-D800のサイズなら、ヴェゼル ハイブリッドの狭いラゲッジボックスに余裕で2台は入るので購入決定である。尚、管理人はカロッツェリアとアルパインが好きなので、どちらかに統一する傾向がある。余談だが、以前のクルマはアルパインで統一していた。

PRS-D800は、最大出力250W×2の2チャンネルアンプである。フロントとリア両方を接続したい、あるいはフロントマルチウェイで接続したいのあれば4チャンネル分、つまり最低でも2台必要になる。サイバーナビはマルチ接続に対応しているし、音質を重視するならパワーアンプが無くともフロントマルチ一択なのだが、ヴェゼルは後部座席に人を乗せることが多いので、純正と同じフロントとリアの4チャンネル構成としている。どちらにせよ4チャンネル分の出力が必要なので、PRS-D800は2台用意した。

必要なパーツ類

Cシリーズスピーカーはカスタムフィットスピーカー(ポン付けタイプ)なので、スピーカー配線は車両の純正配線を利用している。パワーアンプを取り付けるのであれば、電源類のケーブル、スピーカーケーブル、信号ケーブル(ラインとリモート)の追加が必要になる。

以下は、今回用意したパーツ。

電源ケーブル audio-technica TPC8RD 8ゲージ 10m
アースケーブル audio-technica TPC8BK 8ゲージ 6m
ラインケーブル carrozzeria RCAピンケーブル CD-052 (フロントとリア2つ必要)
リモートケーブル 協和ハーモネット UL1007 AWG20 耐熱ビニル絶縁電線 10m 青
スピーカーケーブル CANARE 4S6G (ラゲッジ設置で20~25m程度必要)
ヒューズブロック audio-technica TFH-RMAXI (バッテリー直後に設置)
audio-technica TFB-2MAXI (電源分岐用)
アースブロック audio-technica TEB-4 (アース分岐用)
ブロック用端子 audio-technica TL8-CE10 ケーブルエンドターミナル

これらに加えて他に細かいパーツ類(ヒューズ、コルゲートチューブ、端子類等)が必要になる。

ケーブル類

電源類のケーブルは取り回し性を重視してオーテクの8ゲージケーブル「TPC8」にした。最後部のラゲッジボックスまで引き回すので、電源用ケーブルの長さは10mにした。アンプへの分岐も考慮すると、よくあるセット物の6mだと全然足らない。アース用ケーブルの6mは割と適当に選んだ。

8ゲージという太さであるが、TPC8の許容電流は65Aなので、PRS-D800を2台程度なら十分な太さである。ちなみに、PRS-D800の消費電流は定格出力23Aとなっている。後々システム変更を視野に入れているのであれば最初から4ゲージにするべきだと思うが、本当に4ゲージが必要なシステムを組む人はそうはいない。ケーブルの太さは割と重要で、太けりゃ良いってものでもないが、逆に許容範囲ギリギリの太さだと音質にキレやパンチが無くなる気がするので、ある程度の余裕はあった方が良い。管理人はこれ以上構成を変更する気はないので8ゲージにしたが、一番の理由は、ホンダ車内装の余裕の無さである。

スピーカーケーブルは「CANARE 4S6G」を選択。4芯構造なので2芯ずつプラスとマイナスに分けて接続する。外径6.4mmとスリムなのでドアのジャバラに問題なく通せるし、被覆が二重で耐久性が高めなのもポイント。

CANARE 4S6G スピーカーケーブル

「4S8(G)」というモデルもあるが、こちらは自動車に使うには太くて硬いので、しなやかで取り回しやすい「4S6(G)」がおすすめ。これらのモデルは安心安全のMADE IN JAPANである。Gが付いているモデルは導体に無酸素銅(OFC)を採用しており、無印モデルより若干高価。高価と言っても4S6Gはメートル100~200円である。高品質なのに非常に安価だし、音質に関しては全く問題なし。車両の純正配線に比べれば遥かに良い。

ラインケーブルはカロッツェリア純正のRCAケーブルを選択。ラインケーブルはある程度の品質がないと聴けたものではないが、良すぎてもお金の無駄である。カロッツェリア純正のRCAケーブルは、プラグが小さくケーブルはしなやかでとても柔らかい。取り回し性が非常に良好なケーブルである。音質に関してはクセが無く扱いやすい。

リモートコントロールのケーブルは、一般的なビニル絶縁電線を使用する。パワーアンプ2~3台程度では1Aも流れないので、ケーブルの太さは20ゲージ程度あれば十分。ネット上ではリモートケーブルで音質が変わるという意見があるが、リモートはアンプ内部のリレーを動作させているだけなので音質には全く影響しない。パワーケーブルであれば話は分かるが、リモートケーブルで音質が変わる理屈が理解できない。エンジニアからすれば「?」である。カモにされないように。

ヒューズブロック、端子など

電源ラインを分岐するヒューズブロックやアースブロックはオーテク製を選択。管理人が選択したものはMAXIヒューズに対応したもので、ヒューズの脱着が簡単でメンテナンス性が高いのが特徴。MIDIヒューズに対応したものでも良いのだが、こちらは脱着が面倒なので却下。まぁしっかりと接続するという意味ではMIDIヒューズの方が優れていると思う。AGUヒューズ(ガラス管)は見た目が管理人の好みではないので選択肢に入らない。やむを得ない場合は使用するが。

オーディオテクニカ MAXIヒューズ

イモネジでケーブルを固定するタイプのヒューズブロックには、ケーブルの被覆を剥いて末端未処理で接続しても問題ないが、予算があるならケーブルエンドターミナル(フェルール端子)は用意しておくと良い。

左が8ゲージ用 右が4ゲージ用

①被覆を剥く

②フェルール端子を被せる

フェルール端子を被せた状態でヒューズブロックに差し込み、イモネジを締め込んで固定する。これがあればイモネジを締め込んでも導体にダメージを殆ど与えないし、何より抜け難くなる。特に、4ゲージサイズの端子に8ゲージサイズを接続する場合は必須である。フェルール端子は脱着時要交換の消耗品に見えるが、数回程度の脱着なら耐えられる。間違えて裸圧着スリーブを買わないように。

電源ケーブルやスピーカーケーブルの末端処理で使用する端子類は、電装用の一般的なグレードを使用する。ギボシ端子なら矢崎総業製かエーモン製、圧着端子ならニチフ製辺りの安価なものである。

圧着端子は必ず適切なサイズを使用する

オーディオ用に金メッキやロジウムメッキの高品質な端子が販売されているが、一般的なグレードのオーディオにわざわざ高価な端子を用意する必要はない。そんなものに予算を割く位なら、スピーカーやパワーアンプのランクを上げるか、ドアのデッドニングをした方が遥かに効果的である。端子類が音質に影響を及ぼす度合いは他のパーツ交換に比べて極僅か。劇的に変化があるならメーカーが最初からキットに付属している。端子類にお金をかけるのは最後にするべきというのが管理人の持論である。自己満足でやるなら構わないが、期待して取り付けても違いなんて体感できないだろう。管理人もお金に余裕があれば金メッキ端子を用意したいというのが本音だが、他に優先することが多い。(注:本文には主観的な意見が含まれます。)

使用する工具

重要な事であるが、必要に応じてケーブルの末端処理は専用工具でしっかりと行うこと。工具が無いからとか、適切な端子が無いからといって、工程を省略したりいい加減な作業をするのは止めた方が良い。

これは太い裸圧着端子用の圧着工具である。8、14、22、38sqのサイズに対応している。つまり、1~8ゲージまでのケーブルの圧着が可能。カーオーディオをいじるのであれば必須の工具である。最低でも4ゲージのケーブルに対応した圧着工具があれば不足は無いだろう。

こちらはオープンバレル端子用圧着工具。よくある丸型ギボシ等で使う。圧着工具は精度が重要なので、綺麗に仕上げるならそれなりの工具を使用した方が良い。エーモンの圧着ペンチでも十分だが、カプラー用端子等の細い端子を加工するなら、こういった様々なサイズに対応できる圧着工具がないと不便。

こちらは収縮チューブを収縮させるのに使うヒートガン。ライターでも代用できるが風が強いとストレスである。ヒートガンの方が楽だし綺麗に仕上がる。最近、長年使用していたヒートガンがデッドニングやらで酷使しすぎて壊れてしまったので新品に買い替えた。この手の工具は消耗品である。

その他使う工具は一般的なものである。紹介するまでもないだろう。

PRS-D800 ギャラリー

PRS-D800本体はシンプルなデザインでとても格好良い。アンプボードを作成して複数並べて設置すればかなり映えるだろう。正面のcarrozzeriaロゴはパワーインジケーターになっているので、電源が入るとホワイトカラーに点灯する。底面には入力切り替えスイッチが付いており、モノラルで接続するなら「1CH」に切り替える。工場出荷時は「2CH」になっているが、取り付け前にちゃんと確認しておく。

本体左側は、30Aヒューズ、電源端子、アース端子、リモートコントロール端子となっている。電源とアースのネジはM6サイズで、アース端子のネジは取り外し不可となっている。なので、電源ケーブルには丸型端子、アースケーブルにはY型端子を取り付ける。電源側に丸型端子を使用するのは、ネジが多少緩んでもケーブルが外れないようにする為である。

本体右側は、スピーカー出力端子、ライン入力端子、ゲインコントロールとなっている。ライン入力端子の上にゲインコントロールのつまみがあるが、どの位置にしたら良いのか分からない場合はとりあえず1/4辺りの位置にしておく。間違えてもフルスロットルにしないように。取扱説明書によると、メインユニットのプリアウトレベルが2Vの場合は、NORMAL位置が目安になっている。

尚、ゲイン調整はなるべくデジタルテスターやオシロスコープを使用し、電圧や波形を確認しながら調整する。いい加減な調整で各スピーカーのボリュームが揃わない事よりも、歪んだ音声信号をスピーカーに出力してしまう方が問題である。歪んだ音声信号はスピーカー故障の原因になる。つまみの位置は当てにならないし、聴覚でゲイン調整を完璧にすることは超人でも不可能である。折角良いパワーアンプを買っても性能が出ないようじゃ、取り付ける意味がない。

取り付け作業

内装の分解手順は省略する。車種がヴェゼルではない人も記事を見るだろうし、いちいち手順を説明しても記事が無駄に長くなって読み難くなるだけである。

電源ケーブル配線作業

まずはパワーアンプに接続する電源ケーブルの配線作業。大抵の場合、エンジンルームにあるバッテリーから車内へ配線するのだが、車種によってはバッテリーがトランクにあったりする。ヴェゼルは全くもって普通のクルマなので、バッテリーはエンジンルーム内にある。

バルクヘッドにあるサービスホールやメインハーネスのグロメットを利用して車内へ引き込むのが一般的な引き込み方法であるが、ヴェゼルはバルクヘッドにサービスホールが無い。メインハーネスのグロメットに穴を空けたくないので、左フロントクォーターパネル内にある直径20mmのサービスホールから引き込む。ヴェゼルの場合は恐らくこの方法が一般的だと思われる。作業をするには、ホイールハウスのカバーを取り外す必要がある。

実を言うと、この作業はパワーアンプを追加する前に行っている。他の電装品の配線作業をする際に、このサービスホールを利用してケーブルを色々と通しているので、後の事を考えてオーテクの8ゲージケーブルを一緒に通して纏めておいたのだ。我ながら関心である。

ヒューズブロックの配置だが、ヒューズボックスの蓋に直径4mmの穴を空けて、M4ネジとナットでヒューズブロックをしっかりと固定した。ネジ穴はブチルゴムで防水処理済み。

この電源ケーブルの許容電流は65Aなので、取り付けられるヒューズ容量は60A以下になる。接続する機器の消費電流に合わせて適切な容量のヒューズを選択する。当たり前だが、作業中はヒューズを取り外しておく。

今回はPRS-D800を2台とパワードサブウーファーを接続するので、60Aのヒューズにする。このヒューズは動作確認用なので、しばらく使って問題がなければオーテクのヒューズに付け替える。最初からオーテクは使わない、高いので。

基本的に、ヒューズブロックとバッテリーを繋ぐケーブルはなるべく短い方が良い。電装の知識がある人なら理由が分かるだろう。管理人が他人のクルマを作業するならこんな離れた位置にヒューズブロックを設置しない。自分のクルマだからこうしているだけである。決して真似しないように。

バッテリーのプラス端子にはM8サイズのボルトが付いているので、ここに電源ケーブルを接続する。使用する端子サイズは、R8-8の丸型端子。もう一本のケーブルは、サイバーナビや他の電装品用の電源ケーブル。

追記:数日使用して問題なさそうなので、ヒューズをオーテクの「MAXI-60A」に付け替えた。

ラインケーブル配線作業

パワーアンプまでのラインケーブルとリモートケーブルの配線作業を行う。音声信号やリモート信号はメインユニットの背面にある接続端子から取り出すので、メインユニットを取り外す必要がある。管理人のヴェゼルはパワーアンプ追加を念頭に置いていたので、音声出力端子とリモート端子は予め接続しやすいように工夫しておいた。

グローブボックスを取り外すとユニット側面がギリギリ見える。ヴェゼルはオーディオに関しては作業しやすい。画像は既に接続が完了している状態。

上の画像は分かりやすくしたもの。黄色矢印に沿ってラインケーブルとリモートケーブルを通している。赤矢印はユニットの音声出力端子の出している向き。

拡大するとこの様になっている。ケーブルが傷まないようにコルゲートチューブで保護してある。フロント出力、リア出力、サブウーファー出力、リモート出力(青線)の4本あるので、コルゲートチューブは内径15mmのものを使用した。

スピーカーケーブル配線作業

パワーアンプを追加するのでスピーカーケーブルは新たに配線する必要がある。フロントとリアの4チャンネル構成なので、各ドアのスピーカーユニットからラゲッジボックスまでスピーカーケーブルを引き回す。この工程で一番の難関はフロントドアにあるジャバラの通線作業だろう。

まずは簡単なリアドアから。

スピーカーユニットを外すと奥にジャバラが見える。通線し難いようならずらしておく。使用するツールはエーモンの配線ガイド。

ドア側から突っ込んで室内に配線ガイドを出したら、スピーカーケーブルを配線ガイドに固定する。

シートベルトが邪魔なので予め取り外しておいた。スピーカーケーブルを配線ガイドで引っ張って通していくのだが、少しずつ慎重に引っ張ること。抵抗が大きいようならシリコンスプレーを吹けばスムーズに通る。パーツクリーナーで代用する人が稀に居るが、無闇に使うと車両側にダメージを与えかねないので安易に使用しない方が良い。フロントドアも同様に作業する。

こちらはフロントドア。4S6Gスピーカーケーブルと、ツィーター用のケーブル(コルゲートチューブを巻いてある)の2本を通してある。ジャバラは少し余裕があるが、フロント側は途中で直角に角度が付いているので、硬いスピーカーケーブルだとキツイ。4S6Gにして正解である。

スピーカーケーブルを通したら、ギボシ端子を付けてスピーカーユニットのパッシブネットワークに接続する。くれぐれも接続を間違えないように。特に、4芯ケーブルの場合は良く確認しながら作業をする。基本的に、電源上流側をメス、下流側をオスで統一する。

ケーブルを纏めてインシュロックで固定し、スピーカーユニットとドアライニングを取り付けたらドアの作業は完了である。

同時にしっかりと逆相音対策を行ったので、別の記事でアップした。

ドアスピーカーユニットの逆相音対策をしてみた!【ホンダ ヴェゼル】
スピーカーユニットに防音テープを貼り付けて、逆相音で音質が悪くならないように対策をしてみた。

ケーブル纏め作業

拘った場合、最も時間がかかり、一番面倒な作業である。管理人はなるべく安全性を優先するので、コルゲートチューブとインシュロックの使用は惜しまない。しかし、無駄使いはしない。

上の画像は作業中のもの。ケーブルを綺麗に整列させて、インシュロックで20センチ程の間隔で束ねていく。助手席側は、電源ケーブル、ラインケーブル、スピーカーケーブル、その他電装品のケーブルがあり非常に窮屈なので、コルゲートチューブの使用は最小限に留める。ここは鋭利なものがないし、動くものもないので、インシュロックでしっかり固定すれば問題ない。電源ケーブルだけはコルゲートチューブで完全に保護してある。念の為、リモートケーブルにはナビ裏辺りに1Aのヒューズを取り付けてある。

運転席側はスピーカーケーブルのみなので、纏めるのは楽ちん。リアドアのスピーカーケーブルは、シートベルトの裏側を通すので、内径7mmのコルゲートチューブを巻いてドアハーネスにインシュロックで固定した。

最大の難関、ラゲッジ部の纏め作業である。

ラインケーブルの長さが5mなので、最短ルートで行かないと長さが足らなくなる。このラインケーブルは前のクルマで使用していたものなので長いものに買い直すか考えたのだが、問題なく使えるのでそれは勿体ない。ヴェゼルの場合、後部座席の裏側に沿って駆動用バッテリー(リチウムバッテリー)の下へ通す人も居るようだが、座席は可動部品なので安全性を考えると微妙である。ケーブルがヒンジに挟まりでもしたら目も当てられない。最終的に、駆動用バッテリーの横を通すルートにした。安全に通せるルートが他に見当たらない。

この部分はライニングとの隙間が1センチ程度しかないので、適当に丸く纏めてしまうと収まらない。アルミテープでケーブルを1列に整列させてから、車両に固定した。このルートであればライニングを上手く避け、ラゲッジボックスまで通すことが可能である。また、駆動用バッテリーのアースポイントに、アースケーブルを接続し、ボディアースとした。

黄色矢印が、電源ケーブル、スピーカーケーブル。画像には写っていないが、運転席側のスピーカーケーブルも似たようなルートで配線してある。赤矢印が、ラインケーブル、リモートケーブル。青矢印がサブウーファーのケーブルで、電源、アース、ライン、リモートを内径10mmのコルゲートチューブで纏めてある。

こちらが同時に作成したサブウーファーのケーブル。途中に3Pカプラーを増設して、電源系のケーブルは簡単に取り外しができるようにしてある。電源とアースは2sq(14ゲージ相当)のケーブルを使用した。このケーブルはライニングと後部座席の隙間からラゲッジスペース内に出るようになる。

ラゲッジボックスは、ケーブルを通す為に直径20mmの穴を約5センチ間隔で4箇所空けて、ケーブルを傷めないようにグロメットを取り付けておいた。ボックスに、PRS-D800、ヒューズブロック、アースブロックを先に取り付けておき、各ブロックから分岐したケーブルをPRS-D800に接続する。ボックスの強度が不足しているようであればMDFでベースを作ろうと思ったが、割と剛性があるので、ボックスに穴をあけてボルトナットで各パーツを直接固定した。ボックス内はフタを開けなければ見えない部分なので、割と適当である。

画像で言うと上のPRS-D800の下に4つの穴がある。ここからケーブルを引き込んでいる。ケーブルの長さは若干余裕を持たせており、ボックスの脱着を行いやすいようにしてある。接続を外さなくても、ボックスは30センチ位の高さまで持ち上げられる。

PRS-D800の設置する向きであるが、正面を向いてロゴが上向きなら、本体内部のヒートシンクがトランジスターに対して上に来るようになる。逆さまに設置すると、ヒートシンクがトランジスターの下になるので、冷却に若干悪影響があるかも知れない。まぁどちらに向けても問題はないと思うが、可能なら平置きが一番良いだろう。

電源ケーブルとアースケーブルは、フェルール端子を被せてからブロックに接続する。

画像を見ると、しっかりと圧着され接続されているのが分かる。強く引っ張っても抜けることはない。

取扱説明書によると、ヒューズ容量はメーカーの配線キット(RD-226)で説明されており、30Aを2個並列接続となっている。つまり、アンプ1台で60Aの容量となっている。PRS-D800本体には30Aヒューズ1個だし、実際は60Aなんて大電流は流れない。音量をかなり上げる人でもなければ、使用するヒューズは40Aでも十分だと思う。あまり容量が大きすぎても何かあったときに危険である。今は60Aのヒューズを付けているが、エンジンルームのヒューズと同様このヒューズも動作確認用なので、しばらく使って問題がなければオーテクのヒューズに付け替える。

PRS-D800に接続するスピーカーケーブルはY型端子(1.25Y-4)を取り付けた。電源ケーブルは丸型端子(R8-6)、アースケーブルはY型端子(8Y-6)、リモートケーブルは分岐した後、Y型端子(1.25Y-4)を取り付けた。ラインケーブルはそのまま接続するだけである。

画像で言うと、上のPRS-D800がフロント出力用、下がリア出力用とした。

サブウーファーのケーブルは細くてヒューズブロックには接続できないので、リア用のPRS-D800の接続端子に電源、アース、リモートを共締めした。サブウーファーの最大消費電流は10Aで、元々のケーブルには10Aのヒューズが付いている。なので、自作したケーブルには10Aのヒューズを取り付けてある。

こういった接続方法なのでヒューズ容量に関しては、フロント用を40~50A、リア用を50~60Aにするのが良いのかも。まぁそこまで神経質にならなくても問題ないと思うが。

追記:数日使用して問題なさそうなので、ヒューズをオーテクの「MAXI-50A」に付け替えた。片方を40Aにしたかったが手元になかったので両方50Aにした。

ゲインコントロール調整作業

この項目は取り付けではなく調整作業なので、別の記事でアップした。興味のある人は是非参考にして欲しい。

外部パワーアンプのゲイン調整について解説
カーオーディオ用外部パワーアンプのゲインコントロールの調整方法について解説する。

AUTO TA&EQ 測定

カロッツェリアのメインユニットには「AUTO TA&EQ」という音場の自動補正機能が搭載されているものがある。このクルマのサイバーナビもこの機能が搭載されているので測定してみた。こちらも別の記事でアップした。

「AUTO TA&EQ」carrozzeriaの音場自動補正機能について【ホンダ ヴェゼル】
音場の自動補正機能で音響チューニング!測定結果も公開するよ。

完成

音出し確認をして問題がないようならPRS-D800にターミナルカバーを取り付けて完成。ケーブルは後で暇なときに綺麗に纏める。

とても良い感じ。メンテナンス性も抜群である。問題はPRS-D800の発熱だが、夏場に不安定になるなら、ヒートシンクや冷却ファンを追加するなど工夫をしたいと思う。

パワードサブウーファー「TS-WX70DA」もラゲッジスペースに設置した。TS-WX70DA本体はカムバックル式の荷締ベルトで動かないようにしっかり固定してある。

TS-WX70DAはとても頑丈な作りで、上に荷物を置いてもびくともしない。元々そういった使い方を考慮して設計されているサブウーファーである。最近のアンプ内蔵サブウーファーの中では割と大型の部類だが、その分音圧に余裕があり高音質。しっかり鳴らすならこれ位の大きさがないとダメだと思う。

TS-WX70DAのリモコンは左側ラゲッジライニングにマジックテープで固定してある。調整が終わってしまえばリモコンはほぼ触らないのでここで問題ない。

ケーブルは、ライニングのフチを少しカットして、そこからを出している。

TS-WX70DA本体はカプラー接続なのだが、このカプラーから10センチ程度のところで本体にケーブルをブラケットでネジ止め固定する構造になっている。上の方でも言及したが、いちいちネジを緩めてケーブルを取り外すのは面倒なので、途中にカプラーを追加してある。ベルトを緩めれば簡単にTS-WX70DA本体を取り外しできるので、整備のときも安心。

音質について

音を出したときの第一印象として、パワーに余裕があると感じた。音量をあまり上げない状態でもスピーカーがしっかり動いているのが分かる。まぁこれは購入前にショップで試聴しているので、既に分かっていた事なのだが。大抵のアンプは音量を上げればスピーカーをそれなりに鳴らせるが、小音量で音質が良いアンプはなかなか無い。当初の目的である小音量時の改善は達成できた気がする。これが個人的に一番大きい。

PRS-D800の音質であるが、ネットの評判ではフラットでオールマイティーという意見が目立つがその通りだと思う。管理人のクルマに付いているカロッツェリアのCシリーズスピーカーは中音~高音域が得意なスピーカーなので、これとの組み合わせではそれなりに向き不向きがあるように感じる。まだ鳴らし込んでいないのでハッキリと断言はできないのだが、ロック、トランス、ダンス、ポップス等、賑やかな楽曲がとても良い感じである。クラシック、ジャズ、ブルースもなかなか良い感じだが、少し余韻が弱い。高音域の繊細さはアナログアンプの方が上であるが、相変わらず女性ボーカルが綺麗なのはいつものカロッツェリアらしい。逆に、低音域が強いレゲエやヒップホップは曇った感じがして微妙だった。J-POPやアニソン系は聴かないので不明。強いて言うとこんな感じになる。こういったクセが出るのはスピーカーの影響が大きい。

総合的に評価すると、PRS-D800はクセが無くとても扱いやすいパワーアンプである。ただ、音源が圧縮されていると悪い部分もストレートに再生するので、音源には拘った方が良いと思った。圧縮音源を聴くならアナログアンプの方が良いだろう。

PRS-D800の価格は2台買ってもミドルクラスなので、安くて高音質なパワーアンプが欲しい人は候補に入れても良いと思う。ワンランク上のPRS-A900と比較しても、そこまで音質に差はないというのが管理人の正直な感想である。設置性を犠牲にしてPRS-A900を取り付けようかとも思ったが、スピーカーがCシリーズだしPRS-D800で十分である。満足度は非常に高い。

尚、管理人の聴覚はそこまで繊細ではないので鵜呑みにしないこと。

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