「虎徹Mark II & 風魔弐」超定番コスパ重視のクーラーを3600X 3700X 3900X 3950Xで検証

ハイエンドCPUの発熱はコスパ重視のクーラーで抑え込めるのか軽く検証してみた、パートⅡ!

虎徹 MarkⅡ(KOTETSU マークⅡ)
サイズオリジナル設計サイドフロー型CPUクーラー。従来モデルに改良を加え、取り扱い易さが大幅に向上! AM4 「RYZEN」にも対応。
風魔 弐(FUMA2)
型番:SCFM-2000 / JAN:4571225057200製品の特徴ツインタワー・サイドフロークーラー・サイズオリジナル設計。

比較するCPUとクーラー

今回の検証で使用するクーラーは、サイズの「虎徹Mark II 」と「 風魔弐」のふたつ。

CPUは全てRyzenシリーズで「Ryzen 5 3600X」「Ryzen 7 3700X」「Ryzen 9 3900X」「Ryzen 9 3950X」の4つで比較してみる。 …え?3800X?知らない子ですね。

前回の記事ではCPUを2種類に絞って検証したが、季節が夏に近づいて暑くなってきたし、クーラーの性能を再確認するために手持ちのRyzenを全部検証してみることにした。

CPUの動作や温度の確認は「Ryzen Masterユーティリティ」で行う。定格動作で手動オーバークロックは無し、全てマザーボード任せのAuto設定。Precision Boost Overdrive(PBO)無効と有効の2パターンで検証する。PBOとは、冷却に余裕がある場合はオーバークロックが自動で働く機能のこと。負荷をかけるソフトはCinebench R20で行う。パソコンが冷えた状態では正確な検証が出来ないので、Cinebench R20を数回繰り返して平均値を取る。室温は26℃。ファンコンの設定は、60℃以下は50%、70℃で75%、80℃以上で100%になるように設定してある。

使用するグリスは「親和産業 シミオシ OC Master SMZ-01R」通称ネコグリス。

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検証で使用するパソコン

マザーボード ASRock X570 Steel Legend
メモリ OCM3600CL19D-16GBN(速度3600MHz)
電源ユニット Seasonic SSR-750PX
PCケース Fractal Design Define R6(付属ファンを使用)

まな板ケースで検証するか悩んだのだが一般的な環境に近い方が参考になるだろうと思ったので、今回はケースに入れた状態で行う。マザーボードは定番の「X570 Steel Legend」にした。

前回ではベンチマーク動作中のスクリーンショットをいちいち載せていたのだが、今回は比較するパターンが倍になるので省略する。全部載せてたら画像だらけになるし、面倒である。

検証結果

それでは早速検証結果のグラフを載せてみる。

Cinebench R20 PBO有効とPBO無効のグラフはCPU温度で、単位は℃となっている。ついでに消費電力もグラフにしてみた。単位はW(ワット)。消費電力は「Hwmonitor」というソフト読みなので正確な値かどうか微妙なのだが、まぁ参考にはなるだろう。CPU温度に関しては、ベンチマーク開始直後に瞬間で高くなるが、これは無視している。ベンチマーク終了直前の温度をデータとして取っている。

まず6コアCPUの3600Xの動作に関してだが、このCPUはPBOを無効と有効どちらに設定しても消費電力や処理性能には殆ど違いがなかった。デフォルトの電力制限でほぼ100%の性能が発揮できるようになっているものと思われる。当然ながら、PBOを無効と有効を比較してもCPU温度の違いは僅かである。付属のリテールクーラーでは高負荷時で75℃以上になるので、虎徹にするだけでもかなり余裕が出る。定格クロックなら虎徹。オーバークロックしたり部屋にクーラーが無いなら風魔弐を選択すると良いだろう。

次に8コアCPUの3700Xの動作に関して。PBO無効だと3600Xと電力制限が同じ設定になるので、発熱に関しては3600Xとほぼ同等になる。しかし、PBOを有効にすると消費電力が増え、それに伴いCPU温度も高くなる。クーラーが虎徹の場合、PBO有効で82℃となっており、3700Xはなかなか熱いCPUであることが分かる。ファンはこの温度だと100%で回っているので、これ以上負荷が高くなると虎徹では冷却不足になる。3700Xは消費電力の割に温度が高い傾向にあるので、過酷な環境で使用するのであれば、冷却性能に余裕のあるクーラーを選びたい。

次に12コアCPUの3900Xの動作に関して。このCPUはPBO無効の電力制限が約142Wとなっており、結構な消費電力である。3700Xと比較すると消費電力の割に温度が低めであり、PBO無効であれば虎徹でもサーマルスロットリングは発生しない。付属の「Wraith Prism」クーラーでも高負荷状態が短時間であれば全く問題ない。しかし、PBO有効だと消費電力はソフト読みで160W辺りまで上昇する。消費電力が20W増えただけで温度が10℃も上がるのは納得いかないが、何回か試しても結果は変わらなかった。言うまでもないが、この状態だと付属のリテールクーラーでは冷却不足になる。風魔弐でも80℃となっており、環境によってはサーマルスロットリングが発生するだろう。3900X PBO有効であれば、ハイエンドツインタワークーラーか280mm以上の簡易水冷クーラーが欲しいところ。

最後に、16コアCPUの3950Xの動作に関して。このCPUはPBO無効の電力制限が約142Wとなっており、3900Xと同じ設定である。3900Xと比較しても温度はほぼ同じになる。管理人の環境だと何故か3900Xより温度が低めに出ているが、これは消費電力が3900Xより数ワット低いからだろう。まぁどちらにせよPBO無効であれば虎徹でも十分である。しかし、PBO有効だと消費電力はソフト読みで200W近くまで上昇する。虎徹だとサーマルスロットリングが発生するようで、温度は85~90℃で落ち着くものの動作クロックが下がるという状態になってしまった。3950Xはリテールクーラーが付属しないし、メーカーも280mmサイズの簡易水冷クーラーの使用を推奨している。空冷であれば風魔弐では冷却性能が不足気味なので、140mmファン搭載のハイエンドツインタワークーラーを使用した方が良いだろう。

Ryzenは保護機能があり、80℃を超えると動作クロックを落として発熱を抑える仕様になっている。極端に言えば、3950Xに虎徹より冷却性能の低いクーラーを取り付けても問題なく動作する。しかし、動作クロックが下がるということは処理性能が下がるということでもある。常にフルパワーを発揮させたいのであれば、高性能なクーラーを取り付けた方が良い。

まとめ

さらっと結果だけ載せてみたが、実はこの検証で丸一日潰れている。デフォルト設定で3950Xより3900Xの方が消費電力が高く、設定が上手くいっていないのかと色々と試していたのだ。Ryzen Masterユーティリティを観察していても特に異常は見当たらないし、電力制限も同じ値になっていたので仕様ということにした。まぁ個体差もあるだろうしセオリー通りにはいかないだろう。

今回の検証では改めて虎徹と風魔弐の良さを再確認出来た。どちらのクーラーもファンサイズは12cmでヒートシンクもコンパクトな設計になっており、一般的なATXマザーやMicroATXマザーであればメモリやビデオカードとの干渉はまず無い。取り回しが良く脱着が容易。価格の割に品質や冷却性能が優秀なので、管理人的にはクーラーの中ではサイズ製品が一番コストパフォーマンスに優れていると思う。3700Xまでならどちらのクーラーでも問題なく使用出来るので、予算を抑えたい人には最適なクーラーである。

最後にひとつ付け加えておくと、虎徹と風魔弐はあくまでコスパに重点を置いているクーラーであり、冷却性能を最大限に追求したクーラーではない。冷却性能が高いクーラーは他にもあるので、3900Xや3950Xを使用するのであれば、ちゃんと予算を確保して高性能なクーラーを用意した方が良い。

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