高品質かつ高性能な「IceStorm 2.0」クーラーを採用した「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 SUPER AMP」をレビュー!

NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERを搭載。オリジナルクーラー「IceStorm 2.0」を備え、約210mmの省スペースなオーバークロック仕様のグラフィックボード
- NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER搭載
- ボード全長が約210mmの省スペースモデル
- デュアルファン仕様のオリジナルクーラー「IceStorm 2.0」を搭載
- ブーストクロック 1,845MHz
- メモリクロック 14,000MHz
- 6GB GDDR6 192bitメモリ搭載
- DisplayPort×3、HDMI 映像出力端子装備
- ボード1枚で4画面出力が可能
- NVIDIA Ansel、G-SYNC対応
- DirectX 12、OpenGL 4.6、Vulkanをサポート
- 独自のオーバークロックツール「FireStorm」
株式会社アスク公式サイト
スペック
GTX 1660 SUPER AMP |
GTX 1660 | GTX 1660 Ti | RTX 2060 | |
製造プロセス | 12nm FFN | 12nm FFN | 12nm FFN | 12nm FFN |
GPUコア | TU116 | TU116 | TU116 | TU106 |
CUDAコア | 1408基 | 1408基 | 1536基 | 1920基 |
ベースクロック | 1530 MHz | 1530 MHz | 1500 MHz | 1365 MHz |
ブーストクロック | 1845 MHz (1785 MHz) |
1785 MHz | 1770 MHz | 1680 MHz |
メモリ容量 | GDDR6 6GB | GDDR5 6GB | GDDR6 6GB | GDDR6 6GB |
メモリスピード | 14 Gbps | 8 Gbps | 12 Gbps | 14 Gbps |
メモリインターフェース | 192 bit | 192 bit | 192 bit | 192 bit |
メモリ帯域 | 336 GB/s | 192 GB/s | 288 GB/s | 336 GB/s |
TDP | 125W | 120W | 120W | 160W |
カッコ内の数値はリファレンスモデルのスペック。仕様を見る限りでは、ブーストクロックがリファレンスモデルより60MHzも引き上げられている。前回レビューした「MSI GeForce GTX 1660 SUPER VENTUS XS OC」のブーストクロックは1815MHzとなっており、こちらは30MHzのOC仕様である。
パッケージと付属品
付属品はユーザーガイド的なものが付属している。補助電源ケーブルやドライバCDは付属していない。
ビデオカード本体サイズと出力端子
外形寸法は約209.6×119.3×41mmとなっている。手前に22mmほど突き出すが、補助電源コネクタは15mmほど引っ込んでいるので問題ないだろう。幅の狭いケースでも余裕。
厚みはちょうど2スロットサイズ。
ファンサイズはふたつ共に約85mmとなっている。
インターフェースは、DisplayPort x 3 (v1.4) / HDMI 2.0b x 1 となっている。最大同時出力は4画面となっている。DisplayPort出力はモニター側がAdaptive-SYNC対応であれば、Adaptive-SYNCで動作させることが可能。
※Adaptive-SYNCとは、FreeSync対応ディスプレイでG-Syncを動作させる機能のことである。FreeSync/G-Syncとは、ディスプレイのリフレッシュレートに対してFreeSync/G-Sync対応のGPUのフレームレートを同期させる機能であり、テアリングやちらつきが低減または排除される。
ビデオカード本体外観
バックプレートはアルミ製で基板にしっかりとネジ止めされておりとても頑丈な作りになっている。このクラスでアルミ製が付いているのは珍しい。ZOTACのAMPエディションに対する拘りが伺える。強度が高い上にショートサイズだし、サポートブラケットは不要だろう。
ヒートパイプは3本で非接触式となっており、ダイレクトタッチ方式ではない。最近はミドルクラスのビデオカードにアルミ押出一体型ヒートシンクを採用するメーカーが多くなってきたが、AMPエディションはハイエンドモデルと同じタイプのクーラーを採用している。VRMやメモリ周りも全く問題ない。
ロゴにはLEDの装飾は無いので光らない。ファンのエンブレムはアルミ製で高級感がある。
検証
軽く検証してみる。CPUクーラーがRyzen上位モデル付属の「Wraith Prism」になっているが、付いているのはRyzen 5 3600Xである。CPUはPrecision Boost Overdrive有効、メモリ速度は3600MHz。ベンチマークソフトは「FF14 漆黒のヴィランズ」を使用する。ベンチマークの解像度はフルHD、1366×768の2種類、品質は最高品質と高品質(デスクトップPC)で行う。室温は25℃。冬に比べると室温が高めになってきたのでケースに入れた状態ではなく、まな板ケース(?)で組んだ状態で行う。パソコンのスペックはミドルクラスを意識した構成にしてみた。
パソコン構成
CPU | AMD Ryzen 5 3600X |
メモリ | OCM3600CL19D-16GBN |
マザーボード | ASRock B450 Steel Legend |
電源ユニット | Seasonic SSR-750PX |
ビデオカード | ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 SUPER AMP |
PCケース | 長尾製作所 オープンフレーム ver.ATX |
各設定で3回ほど実行し、ベンチマークソフトのレポート出力したデータや、モニタリングソフトのログデータの平均値をとってグラフにしてみる。スコアは3回の内の真ん中のデータを採用した。
平均フレームレートはフルHD最高品質で100を超えておりとても快適に動作する。スコアも非常に高く出ており、FF14のような比較的軽めのゲームであれば文句なしの性能だろう。
クーラーの冷却性能に関してだが、一言でいうとオーバースペックである。例えるなら、TDP65WのCPUにハイエンドツインタワークーラーを組み合わせているようなもの。ファンの回転は上がらないのでとても静かである。当然ながら、この程度の温度ではサーマルスロットリングは発生しない。ハードな使い方でも冷却性能が不足することはまず無いだろう。GPU温度の変化に対するファン回転数の変動も滑らかである。尚、セミファンレス仕様ではないのでファンの回転は低負荷で停止しない。
管理人の入手した個体ではファンの軸音は意識していても聞こえない。コイル鳴きも皆無に等しく、至近距離でないと聞こえないレベルである。ケースに入っていれば全く気にならないだろう。
ZOTAC GeForceシリーズのGPUクロックや動作電圧等を調整可能なソフトウェアが公式サイトからダウンロード可能。こちらの記事で使い方を解説しているので、参考にして頂ければ幸いだ。

下記のグラフは、Ryzen 9 3900X メモリ速度3600MHzの設定で手持ちのビデオカードを比較したもの。全てオリファンモデルなのでメーカーによる多少の誤差はあると思う。
総合評価
○ 良いと思った点
- 全体的に高品質
- 冷却性能がオーバースペック
- 非常に高いブーストクロック
✕ 悪いと思った点
- なし
ZOTACのビデオカードは本当に良く出来ている。オーバークロックモデルのブーストクロックがとても高く設定されており、クーラーも高品質かつ高性能。もちろんコストパフォーマンスを優先したモデルではそれなりになってしまうが、AMPエディションにハズレはない。欠点の見当たらない優秀なビデオカードである。
価格もライバルと殆ど変わらず、むしろ安価な部類に入る。ASUSやMSIのハイエンドモデルは高価なので、OC仕様のオリファンモデルでどのメーカーを買うか迷っているのであれば、ZOTACのAMPエディションにしておけば間違いないだろう。見た目の好みはあるだろうが、性能は本物。
