「MSI MEG X570 ACE」をひと月使ってみたので軽くレビューしてみる

非常に完成度の高いX570マザーボード「MSI MEG X570 ACE」をひと月程使用してみたので、適当に使い心地等述べてみる。

MEG X570 ACE
Go for the gold with MEG X570 ACE. Win games anywhere with 2.5G gaming LAN and WIFI AX, set records with the Frozr Heatsink Design, and outshine the competition...

以前から使用している「ASRock X570 Phantom Gaming X」がメモリの動作が不安定で、オーバークロックの設定によってはPOSTコード「8d」を表示して起動しないという症状が出ていた。色々と手持ちのメモリを交換してみても症状は改善されず、マザーボードに問題があると判断した。仕事で使用しているパソコンなので安定しないのは論外。すぐにマザーボードを交換することにした。

管理人は基本的にASUSの製品を使うことが多いのだが、今回はMSIのマザーボードを買ってみた。まぁメーカーに拘りは無いので、その時に良いと思った物を選んでいる。

とりあえず写真を撮ったので載せてみる。発売からしばらく経っているしレビュー等は今更なので、実装コンポーネントや他の仕様等、詳しく知りたい人はプロのサイトを参考にして欲しい。

マザーボード本体外観

付属品一式。ASUSのハイエンドマザーボードみたいに色々と余計な物が入っていないのは好感が持てる。付属品は必要最低限で良いのだ。

保護シールが貼ってある。チップセットファンのシールは剥がし忘れないようにしよう。

マザーボード本体。MSI X570シリーズのマザーボードはどれもチップセットファンの位置が素晴らしい。

M.2スロットは3本あり、CPU直結スロットは1段目(M2_1)でPCIe接続のみ対応。2段目(M2_2)と3段目(M2_3)はチップセット接続で、PCIe接続及びSATA接続に対応している。全てのM.2スロットは、SATAポートとの排他制限は無し。

Gen4を利用可能な第3世代Ryzenを使用時、PCIeスロットは全てGen4となっており、M.2スロットも全てGen4 ×4となっている。流石ハイエンドマザーボード。Gen3対応のRyzenの場合は全てGen3になる。Gen2が混ざらないのはB450等に比べると大きなアドバンテージになる。拡張性が高く、帯域を気にしないで使用出来るのは素晴らしい!

VRMヒートシンクとチップセットヒートシンクがヒートパイプで連結されている。冷却面で有利に働くだろう。

 

メモリスロットはスチールシールドでカバーされている。オーバークロックの安定性が増すらしい。基本設計が同じである「MEG X570 UNIFY」には、VRMヒートシンクとチップセットヒートシンクを連結しているヒートパイプやメモリスロットのスチールシールドは付いていない。

メモリスロットのラッチは両側に付いている。最近のマザーボードは殆どが片方しか付いていないので、これは地味に嬉しい。取り付けやすいし、取り外しやすい。スチールシールドのお陰でスロットは頑丈。たわむこともないのでスムーズにメモリを装着出来る。この感触は病みつきになる。安価なモデルでは体感出来ないだろう。

マザーボード下部には、起動用のスイッチとリセット用のスイッチ、オーバークロックの設定を行うダイヤルが付いている。オーバークロックはUEFIから行えるので、熟練ジサカーは使う機会は無いと思われる。まぁこういったギミックはハイエンドモデルならでは。付いているというだけでも満足感は得られる。POSTコード表示用のセグもあるので、何かしらエラーが出てもすぐに確認が可能。

USBヘッダーやファンヘッダーも必要十分な数が実装されている。ファンヘッダーに関してはCPU用を含めて7本もある。

SATAポートは合計で4本。先程も述べたように、排他制限は無い。一部の人からは少ないと言われそうだが、最近はNAS等の外部ストレージもあるので、パソコン本体にHDDを大量に接続する人は少なくなってきていると思う。管理人はこれでも十分だと感じるし、正直無くても困らない。

 

VRMのフェーズ構成は、12+ 2+1となっている。ヒートシンクの容量は十分で、パッシブ空冷でも冷却不足になることはない。チップセットヒートシンクとヒートパイプで連結されているし、VRMの発熱が問題になることはないだろう。Ryzen 9 3950Xが高負荷状態の時に触れてみても、触れなくなるほど熱くはならない。むしろぬるいという感じ。

CPU補助電源コネクタは8ピン×2となっている。この価格帯のマザーボードを購入する層は電源も良いものを使用しているだろうし、電源コネクタが足らないという人はいないだろう。8+4ピン構成でも十分だと思うが、個人的には8ピン×2の方がケーブルの収まりが良いのでこの方が好き。

バックパネルは組み付け済みとなっている。最近のトレンドである。あと保護シール剥がし忘れた。

左から、CMOSクリア BIOS更新用ボタン、Wi-Fiアンテナコネクタ、PS/2 ゲーミングデバイスポート USB2.0ポート、USB3.2 Gen1ポート、Intel ギガビットLAN USB3.2 Gen2ポート TypeA+C、Realtek 2.5G LAN USB3.2 Gen2ポート、HD オーディオコネクタ、となっている。

Wi-Fiは「Intel Wi-Fi 6 AX200」を搭載している。

チップセットファン位置の重要性について

MEG X570 ACEのチップセットファンはセミファンレス仕様になっており、55℃辺りで動作が停止する。アイドリング状態では50~55℃辺りなので、負荷が低い状態ではほぼ止まっている。ヒートパイプが良い仕事をするお陰なのか、ビデオカードが高負荷状態でもチップセット温度は60℃台半ばで安定する。この温度だとチップセットファンのノイズは他のノイズに消されて全く聞こえない。

尚、チップセットファンの動作はUEFIで他のファンと同じようにコントロール可能。常時動作させたり、回転数を上げたりと自分の好みに合わせて設定出来る。温度に対してのレスポンス(ファン回転数の変動をゆるやかにすることが可能)を調整することも出来るので、MSIのファンコントロール機能は他のメーカーに比べて非常に使い勝手が良い。

ちなみに「ASRock X570 Phantom Gaming X」の場合、チップセット温度はアイドリングで60℃半ば、ビデオカードが高負荷だと80~90℃まで上昇していた。チップセットファンの位置が悪く、ビデオカードによっては窒息状態なので仕方ない。下記の画像はX570 Phantom Gaming Xを撮ったもの。

90℃辺りまで温度が上がるとファンのノイズはハッキリと聞こえるので、チップセットファンの位置は非常に重要だと感じた。チップセット自体は100℃を超えても全く問題ないが、ウルサイのは勘弁である。手動でファンの回転数を落とせば問題ないが、そうするとチップセットの温度は上昇する。MSIのチップセットファンは大口径で余裕があるし、PCIeスロット1段目と被らない位置にある。これは他メーカーのX570マザーボードと比較すると大きな利点であろう。

実際にMEG X570 ACEにビデオカードを取り付けた状態ではこのようになる。

ビデオカードは「MSI GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」で、2.8スロットサイズのクーラーを搭載している。これだけサイズの大きいビデオカードでも、チップセットファンには被らない。セカンダリスロットにもう1枚カードを追加して窒息状態になったとしても、チップセットファンの口径は大きいし、VRMヒートシンクとヒートパイプで連結されているので冷却面で問題になることは無いだろう。

冷却性能を上げたいのであればチップセットクーラーの放熱シートをグリスにする荒業もある。

「MSI MEG X570 ACE」チップセットのサーマルパッドをグリスにしてみた
X570 UNIFYに引き続き、「MSI MEG X570 ACE」のチップセットのサーマルパッドもグリスにしてみた。

安定性は何よりも重要

基本的な動作が安定しているということは何よりも重要だと思う。これはオーバークロックの安定性も含む。皮肉だが、経験上安価なマザーボードがド安定なことが多い。これはシンプルで必要最低限の構成になっているからであろう。最近予備で買った「ASRock B450 Steel Legend」がまさにそれで、基本的な動作はもちろんCPUやメモリのオーバークロックも非常に安定している。とても1万円ちょいのものとは思えない完成度。

これに対して「ASRock X570 Phantom Gaming X」はかなり微妙であった。メモリの安定性はお世辞にも良いとは言えず、M.2 SSDをRAID構成で動作させたときに上手く性能が出ないという状態であった。チップセットファンの位置が悪いこととファンのサイズが小さく、チップセットが高温になると4000回転以上で回りだし、ビデオカードやCPUクーラーのファンよりノイズが大きくなる。全体的な品質を見ても、ASUSやMSIには及ばない。ASRockは頑丈さが売りだと思っているが、もう少しユーザーフレンドリーな設計を心がけて欲しい。特に価格の高いハイエンドマザーボードにおいては。

他のメーカーがE-ATX規格のウルトラハイエンドマザーをラインナップしているのに対してASRockはATX止まりであることを見ると、恐らく需要が無いのだと思われる。管理人もMSIやGIGABYTEのE-ATXマザーボードは魅力的に感じるが、ASRockから出たとしても欲しいという感情は湧かない。低価格でありながら耐久性に優れているローエンド&ミドルクラスのマザーボードがASRockの真骨頂であろう。この分野で勝るメーカーは他に無い。管理人はミドルクラス以下を買うならASRock一択になる。

能書きが長くなったが、今回の主役であるMEG X570 ACEは非常に安定している。CPUやメモリをオーバークロックしてみても、余程無理な設定をしない限り普通に起動し動作する。XMPプロファイルを読み込ませただけのメモリは、エラーは全く出ないしブルースクリーンなんて一度も出ていない。M.2 SSDをRAID0にしてOSをインストールし使用しているが、特に特別な設定をしなくともしっかりと性能が出ている。Phantom Gamingの苦労は一体何だったのだろうと思う。

実装コンポーネントがどれだけ高性能だろうが、耐久性があろうが、システムが不安定になってはストレスしかないのだ。最近のマザーボードはこういったパーツは比較的高品質なものを使用しているし、ローエンドクラスのマザーボードでも耐久性で問題になることは無い。寿命が来る前に性能不足で世代交代の時期が来るだろう。

総合評価

○ 良いと思った点

  • チップセットファンの位置
  • メモリを脱着しやすい
  • VRMの冷却性能が優秀
  • M.2スロットの排他制限無し
  • ゴールド&グレーのシンプルな色合いで見た目がクール
  • 完成度や品質に対して価格が安価

✕ 悪いと思った点

  • すいません欠点が見当たらない
  • 強いて言えばユーティリティの「DragonCenter」がバグの温床だがマザーは関係ない

 

ここ最近購入したマザーボードの中ではASRock B450 Steel Legendと同様に管理人の評価は非常に高い。何度も言っているが安定性が最も重要である。何も考えずにトラブル無く普通に使えるということは消費者としては当たり前なのだが。

MEG X570 ACEは決して安いマザーボードではない。実売価格が4万円台は十分高価な方である。上位のモデルで「MSI MEG X570 GODLIKE」があるが、こちらはE-ATX規格のマザーボードであるため、MEG X570 ACEはATX規格では実質最上位のモデルになる。しかし、管理人はこのマザーボードが品質に対して高価だとは思わない。完成度を考えればコストパフォーマンスは高いと思う。ハイエンドマザーボードのレビューで欠点に価格が高いと入れている人がいるが、コストをかけて良いものを作っているのだから高価なのは当然だと思う。ハイエンドモデルはローエンドやミドルクラスに比べて出荷数も少ないだろうし、コストが掛かるのは仕方ない。余程価格とのバランスが悪くない限り価格が高いと言うのは少々乱暴な評価だろう。

X570 Phantom Gaming Xのような安定しないマザーボードは論外だし、こういったものはレビュー以前の問題。安定しているのであればしっかりと評価出来るのだが。ちなみにこのマザーボードは初期不良を疑い、ショップに相談したら店員が交換を勧めたので交換したが症状は全く改善しなかった。仕様だろう。

文句の多い記事になってしまったような気がするが。管理人は基本的にオブラートに包んだり建前を言ったりすることを嫌う。良いものは良いと褒めるし、悪いものは悪いと酷評する。

とりあえず、MEG X570 ACEはX570搭載ハイエンドマザーボードの中では非常に完成度が高いと思う。ASRockを選ぶとチップセットのファンノイズに悩まされるので、メーカーに拘りがないのであればMSIを選ぼう。

「MSI MEG X570 UNIFY」をひと月使ってみたので軽くレビューしてみる
価格はミドルクラス、性能はハイエンドな「MSI MEG X570 UNIFY」を軽くレビューしてみる。
タイトルとURLをコピーしました