完全ワイヤレスのオールインワンVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を軽くレビューしてみる。
Quest 2 スペック
Oculus Quest | Oculus Quest 2 | |
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ディスプレイ解像度 | 1,440×1,660(片側) | 1,832×1,920(片側) |
ディスプレイパネル | OLED(有機EL) | 高速スイッチLCD(液晶) |
リフレッシュレート | 72Hz | 72Hz(今後アップデートで90Hzに対応予定) |
SoC | Snapdragon 835 | Snapdragon XR2 プラットフォーム |
トラッキング | 6DoF | 6DoF |
RAM | 4GB | 6GB |
ストレージ | 64GB or 128GB | 64GB or 256GB |
重さ | 571g | 503g |
サイズ | 193×222×105mm | 191.5×102×142.5mm |
オーディオ | スピーカー、マイク内蔵(3.5mmイヤホンジャック対応) | スピーカー、マイク内蔵(3.5mmイヤホンジャック対応) |
バッテリー | ゲームプレイで約2時間、メディア視聴で3時間 | ゲームプレイで約2時間、メディア視聴で3時間 |
充電端子 | USB-C(約2時間でフル充電) | USB-C(約2.5時間でフル充電) |
IPD(瞳孔間距離) | ヘッドセット底部のスライダーで調整 | 調整可(3段階) |
プレイ空間 | 静止・最小2×2mルームスケールサポート | 静止・最小2×2mルームスケールサポート |
特に注目されるのはディスプレイだろう。初代Questと比較して解像度とリフレッシュレートの性能が上がっており、より鮮明な映像を楽しむことができる。ちなみに、初代Riftのディスプレイ解像度は1,080×1,200(片側)、Rift Sのディスプレイ解像度は1,280×1,440(片側)である。Rift Sの発表は2019年3月なので、この短期間で凄まじい進化をしている。まぁOLEDだったりLCDだったりで単純な比較はできないが、Quest 2はどのモデルよりも繊細で綺麗になっているのは確かである。
上位モデルのストレージ容量が256GBに増えており、個人的には256GBモデルの購入をおすすめする。OSの使用領域がそこそこ大きいし、256GBモデルでも64GBモデルでも、実際に使える領域は若干少なくなる。管理人が購入したのは256GBモデル。
Quest 2 レビュー
コンパクトなパッケージとなっている。初代Riftのパッケージの半分以下の大きさだし、保管するのにも嵩張らなくて良い感じ。
パッケージを開封すると、本体やコントローラーが収納されている。
内容物は、Quest 2本体、コントローラー(単3アルカリ乾電池付属)、メガネ回避用スペーサー、充電用USB-Cケーブル、電源アダプタ、クイックスタートガイド、安全及び保障ガイド。
Quest 2本体には傷つき防止の保護シートが巻いてあるので取り外そう。
レンズにも保護シートが貼ってあるので剥がそう。IPD(瞳孔間距離)は、手動でガチャガチャ左右に動かして調整を行う。初代Questでは、スライダーで59~71mmの間で無段階に調整できたが、Quest 2は、58、63、68mmの3段階でしか調整できない。管理人は真ん中の63mmで丁度良かったが、個人的には5~6段階位に分けて欲しいと思った。レンズの間にはセンサーがあり、IPDの数値が表示される。底面右側にある細長いボタンはボリューム調整ボタン。
本体はプラスチックなのでお世辞にも質感が良いとは言えないが、コストを抑えているのだから仕方ないだろう。見た目や質感は性能に影響はないし問題ない。Quest 2本体重量は503gであり、初代Questの571gから大分軽くなっているが、装着した状態ではRift Sや初代Questの方が軽く感じる。ストラップが簡素な形状であることと、後方が何もなく重量バランスが悪いので、軽くなったという体感はできない。本体がずれないように少しキツめに調整する必要があり、長時間の装着では顔面が痛くなってくる。実際に装着してみればオプションの「Eliteストラップ」が欲しいと感じる人は多いかも。というより必須かも知れない。
本体右側には電源スイッチとインジケーターランプがある。
本体左側には、3.5mmイヤホンジャック、USB-Cコネクタがある。初代Questはイヤホンジャックが左右にあり、それぞれにイヤホンを取り付けられるようになっていたが、Quest 2は片側のみになった。
ストラップ付け根にはスピーカーが内蔵されており、ここから音声が出るようになっている。当然だが音漏れが激しいので、夜に楽しむのであればイヤホンはあった方が良い。楽しむものによっては夜じゃなくても必須だが。「ゆうべは、お楽しみでしたね。」
ストラップの調整だが、上部はマジックテープ式となっており、後部は樹脂製のバックル式になっている。それぞれを調整するのは簡単なのだが、装着した状態での調整は難儀する。「HTC VIVE」のようなダイヤル式であれば装着した状態でも調整が容易なので、この辺りは不満に感じる人がいるかも知れない。
コントローラーのボタンは、Riftや初代Questと同じ配置になっている。Oculusのコントローラーは軽くて持ちやすく操作しやすい。
一般的な単3アルカリ乾電池が付属しているが、エネループも問題なく使用可能。コントローラー片方に単3乾電池1本が収まる。
アプリでの初期設定
Quest 2を利用するには、スマートフォンかタブレット、それとFacebookのアカウントが必要になる。既にRiftの環境が整っている場合でもこれらは必要になる。初期設定が完了していない状態だとパソコンにQuest 2を接続してもソフトが認識しないので注意。初期設定を完了させるにはFacebookのアカウントが必須なのだ。
まずは、Quest 2の電源を入れ、本体を頭に装着する。予めコントローラーを近くに置いておく。コントローラーはボタンを触れば勝手に電源が入る。途中でQuest 2本体とコントローラーのアップデートがあるので、バッテリー切れで電源が落ちないように充電ケーブルを繋いでおこう。
画面の指示に従っていき、途中でスマホでアプリを入れろと指示が出る。スマホにアプリをインストールしたら、アプリを起動させる。
こちらはスマホのアプリの画面。Quest 2の場合、Oculusアカウントでログインしても後でFacebookでログインしろと出てくるので、素直に「Facebookでログイン」を選択する。Facebookのアカウントを持っていない場合は予め作成しておこう。現状ではアカウント無しでQuest 2が利用可能になる手段は存在しない、ksゲーですね。
「Facebookでログイン」を選択すると続行するか確認が出るので続行する。Facebookアカウントに問題がなければスムーズに進行するはずだ。あとは画面の指示に従って進んでいけば問題ない。このときに、スマートフォンやタブレットとQuest 2をBluetoothでリンクさせる手順があるので、Bluetoothは忘れずにオンにしておこう。途中でスマホに表示されるコードをQuest 2本体に入力する操作があるようなのだが、管理人の場合は放っておいたら勝手にリンクが完了していた。良く分からん。
初期設定が終わりログインが完了すると、スマホの方にはホームが表示される。画面上には使用するハードや通知など、画面下には基本的なタブが表示されている。
画面左上あるハードをタップすると、どのハードを使うか選択できる。最初からQuest 2になっていると思うので、操作は必要ないだろう。
ストアタブを開くとゲームなどが表示される。ゲームはスマホのアプリでも、Quest 2本体からでも購入可能。遊びたいゲームがあればインストールしてみよう。
設定タブでは、各機能やプライバシー、支払い方法等に関する機能を設定可能。
プライバシーでは、自分のアカウントを公開するかどうかの設定が可能。良く分からなければ「自分のみ」にしておき、必要に応じて友達や公開にすれば良いだろう。
支払い方法は、クレジットカードやPayPalが登録可能。PayPalアカウントを既に持っているのであれば、PayPalで登録した方が良いかも知れない。元締めがFacebookだしね、クレカ登録したくないでしょう。言うまでもないが、管理人はPayPalアカウントを所有している。PayPayではないので注意。

PayPalにアカウントを作って決済方法を登録しておけば、PayPalが代行して決済してくれる。日本だけでなく海外のサイトでも使えるところが多いので、色々なサイトにクレジットカードの情報を登録したくない人は、PayPalに登録しておいた方が良いと思う。
困ったときはヘルプを開けばサポートに連絡が取れる。分からないことがあれば、サポートに連絡するのが確実だろう。ブログで言うのもなんだが、ネットの情報はあまり当てにしない方が良い。
Quest 2をPCVRとして使用する方法
既にRiftでの環境が整っている人であれば、Oculusソフトを起動してパソコンとQuest 2を接続すればRiftと同等に使用可能になる。接続時に「デバイスのデータにパソコンがアクセスするのを許可する?」的なウィンドウがQuest 2の方に出るので、これは「しない」を選択する。許可すると接続に失敗するので、間違えたらやり直そう。Quest 2にRiftのホームが表示されていれば成功。これでRiftと同じように使用可能。
パソコンでの環境が整っていない人はOculusソフトウェアを公式サイトからダウンロードし、インストールする必要がある。ゲーミングPCのようなハイスペックマシンならVRゲームを余裕で動かせるので、持っている人はパソコンに接続して遊んでみて欲しい。Quest 2単体よりも、パソコンに接続した方が画質が綺麗で動きも滑らか。ケーブルは邪魔かもしれないが。
以下は、Rift Sの推奨及び最小PCスペック。パソコンがこれと同等以上の性能であれば、Quest 2を使用したPCVRは十分楽しめる。
コンポーネント | 推奨スペック | 最小スペック |
プロセッサ | Intel i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X以上 | Intel i3-6100 / AMD Ryzen 3 1200、FX4350以上 |
グラフィックカード | NVIDIA GTX 1060 / AMD Radeon RX 480以上 | NVIDIA GTX 1050 Ti / AMD Radeon RX 470以上 |
代替可能なグラフィックカード | NVIDIA GTX 970 / AMD Radeon R9 290以上 | NVIDIA GTX 960 4GB / AMD Radeon R9 290以上 |
メモリ | 8GB以上のRAM | 8GB以上のRAM |
オペレーティングシステム | Windows 10 | Windows 10 |
USBポート | USB 3.0ポートx1 | USB 3.0ポートx1 |
ビデオ出力 | DisplayPort互換ビデオ出力 | Mini DisplayPort互換ビデオ出力(Rift SにはMini DisplayPort-DisplayPortアダプターが付属します) |
パソコンとQuest 2の接続はUSB1本のみなので、パソコンのビデオ出力(DisplayPortやHDMI)は不要である。
接続に使用するUSBケーブルは純正の「Oculus Linkケーブル」が間違いないが、市販のUSB 3.0ケーブルであれば大抵の場合問題なく使用可能。付属の充電用ケーブルや、市販のUSB 2.0ケーブルでも物によっては使用可能らしいのだが、帯域が細いと画質が悪くなるようだ。
パソコンに接続する場合は、ちゃんとUSB 3.0ポートに接続しよう。USB 3.0ケーブルを用意していても、USB 2.0ポートに接続していたら3.0の意味がない。USB 3.0の最大データ転送速度は5Gbps、USB 2.0の最大データ転送速度は480Mbpsなので、2.0ポートに接続するとデータ転送速度が3.0に比べて非常に遅くなる。
管理人が使用しているのは以下のケーブル。L字型の延長ケーブルは本体に接続したままにして、Rampow USBケーブルとL字ケーブルを脱着できるようにしてある。L字ケーブルをストラップ付け根にインシュロックで軽く固定すれば、コネクタにストレスはかかりにくくなる。こうすればQuest 2本体のUSBコネクタが、ケーブルの脱着しすぎでバカになる心配も無くなる。これらのケーブルは価格の割に高品質なのでおすすめ。両方ともUSB 3.0なので帯域は問題なし。
まとめ
初代Questと比較すると全体的に進化しており、特にディスプレイが綺麗になっていることに感動した。ストラップが個人的に残念だと感じたが、オプションでEliteストラップが販売されているので今度購入してみようと思う。
今の所、Facebookのアカウント作成が鬼門のようで、世間ではアカウントを作成したとたんにBANされるという人が多いようだ。アカウントが無いとQuest 2が使えないので、これは非常に問題である。管理人の場合は既にアカウントを所有していたので問題はなかったが、今後どうなるのかは不明である。

おまけ
Facebookで自分のアカウントを非公開にしたい場合の設定方法。
設定からプライバシーを選択。「アクティビティ」「検索と連絡に関する設定」の項目を「自分のみ」や「いいえ」に変更しておく。こうしておけば自分のアカウントが世間に晒されることはないはずだが、まぁFacebookだし信用できない。現状、Facebookに個人情報を登録したくない人はOculus Quest 2を諦めるしかない。なんとかならんのかこれ・・・。