「ASRock B450 Steel Legend」コスパ最強マザーボードを今更レビューしてみる

5.0

岩のように堅牢な耐久性と素晴らしい外観のコスパ最強マザーを今更レビューしてみる。

ASRock B450 Steel Legend
AMD AM4 ソケット Ryzen™ 2000, 3000, 4000 G-Series, 5000 および 5000 G-Series Desktop ProcessorsDDR4 3533+ (OC)2 PCIe 3.0 x16, 4...
ASRock B450M Steel Legend
AMD AM4 ソケット Ryzen™ 2000, 3000, 4000 G-Series, 5000 および 5000 G-Series Desktop ProcessorsDDR4 3533+ (OC)1 PCIe 3.0 x16, 1...

マザーボード本体と付属品

マザーボード本体は静電気防止袋に収められている。ASRockはマザーボードと緩衝材のスポンジが結束バンドで固定されているので、ニッパーがあると便利。

マニュアル、ドライバCD、エンブレムシール、ポストカード、メモリスロットに関する注意書き。

SATAケーブルがストレートとL字がそれぞれ1本ずつ、M.2用ネジ類、バックプレート。

マザオーボード本体外観

メモリスロットは4本で、ラッチは片側のみ。DDR4 3533+ (OC)対応というスペック。

PCI Express 3.0 x16形状のスロットは2本あり、1段目(PCIE1)はx16 モード、4段目(PCIE4)はx4 モードの動作となる。1段目(M2_1)のM.2スロットが使用されている場合、PCIE4スロットは無効になる。PCI Express 2.0 x1スロットは4本あり、AMD Quad CrossFireX、CrossFireXに対応している。x1スロットはPCI Express 3.0ではないので注意。

AMD Ryzen シリーズ CPU (Matisse, Summit Ridge および Pinnacle Ridge)
– 2 x PCI Express 3.0 x16 スロット (PCIE1: x16 モード; PCIE4: x4 モード)*
AMD Ryzen シリーズ CPU (Picasso, Raven Ridge)
– 2 x PCI Express 3.0 x16 スロット (PCIE1: x8 モード; PCIE4: x4 モード) (Athlon 2xxGE シリーズ APU を使用する場合は、PCIE1 スロットは 4 倍モードで動作します。)
AMD Athlon シリーズ CPU
– 2 x PCI Express 3.0 x16 スロット (PCIE1: x4 モード; PCIE4: x2 モード)*

– 4 x PCI Express 2.0 x1 スロット
– AMD Quad CrossFireX™、CrossFireX™ 対応**

*起動ディスクとして NVMe SSD に対応
M2_1 デバイスで使用されている場合は、PCIE4 は無効になります。

**この機能に対応するのは Ryzen シリーズ CPU の場合だけです (Matisse, Summit Ridge, Pinnacle Ridge, Picasso および Raven Ridge).

ASRock公式サイト

M.2スロットは2本あり、1段目(M2_1)がCPU直結スロット、2段目(M2_2)はチップセット接続スロットとなっている。M2_2の帯域は「Gen3 x2」となっているので注意。また、M2_2はSATA3_3及びSATA3_4と共用レーンなのでM2_2を使用しているとSATA3_3及びSATA3_4は使用不可能になる。

真ん中ふたつのSATAコネクタはASMediaコントローラー接続になっている。左から、SATA3_4、SATA3_3、SATA3_A2SATA3_A1、SATA3_2、SATA3_1、となっている。M2_2の使用で無効になるのは左のふたつ。

– 4 x SATA3 6.0 Gb/s コネクタ、サポート RAID (RAID 0, RAID 1 および RAID 10), NCQ、AHCI およびホットプラグ機能*
– 2 x SATA3 6.0 Gb/s コネクタ (ASMedia ASM1061)、サポート NCQ、AHCI およびホットプラグ機能

– 1 x ウルトラ M.2 ソケット (M2_1), 最大 Gen3 x4 (32 Gb/s) までの M キータイプ 2230/2242/2260/2280 M.2 PCIe モジュールに対応 (Matisse, Picasso, Summit Ridge, Raven Ridge および Pinnacle Ridge 搭載) または Gen3 x2 (16 Gb/s) (Athlon 2xxGE シリーズ APU および Raven Ridge 2 搭載)**
– 1 x M.2 ソケット (M2_2), M Key タイプ 2230/2242/2260/2280/22110 M.2 SATA3 6.0 Gb/s モジュール、および、最大 Gen3 x2 (16 Gb/s) までの M.2 PCIe モジュールに対応**

*M2_2、SATA3_3、および、SATA3_4 共用レーン。 いずれかが使用されている場合は、その他は無効になります。

**M2_1 デバイスで使用されている場合は、PCIE4 は無効になります。
起動ディスクとして NVMe SSD に対応

ASRock公式サイト

M2_1スロットはヒートシンク付きで、発熱の多いNvme SSDでも安定した動作が可能。ヒートシンクの厚みは約5mmで、質量も十分。

VRMヒートシンクは安価なモデルでありながら、なかなか大きいものが使われている。放熱面積が多く質量は若干小さめで、熱しやすく冷めやすい。つまり、レスポンスが良い。ファンで風を当てると結構冷える。しかし、ヒートシンクの質量はハイエンドマザーボードのヒートシンクに比べると大きくないので、過信はしない方が良い。キャパシティをオーバーすると放熱が間に合わず、直ぐに発熱してしまう。

VRMは6フェーズ構成になっている。上部ふたつのフェーズが恐らく内蔵GPU等で使われるもので、バックパネル側の4つがメインで使われるフェーズだと思う。ハイエンドマザーボードばかり使用しているとフェーズの少なさに不安になるが、ハイエンドCPUを使用しないならこれでも十分。Ryzen 7 3700Xであればパッシブ空冷(簡易水冷クーラーのような風の当たらない環境)で問題なく動作する。12コアCPUであるRyzen 9 3900Xで負荷をかけると、触った感じかなり熱くなる。12コア以上だとファンで風を当ててあげないと厳しいと思う。まぁこのマザーボードで3900Xや3950Xを使う人はあまりいないと思うが。

CPU補助電源コネクタは8ピンひとつとなっている。

チップセットヒートシンクはアルミの塊で、冷却性能は十分だと思う。

USBヘッダーやファンヘッダーも必要十分な数が実装されている。ファンヘッダーはCPU用含めて合計5本ある。

オーディオチップは、7.1 チャネル HD Audio対応 Realtek ALC892となっている。マザーボードの価格を考えれば十分。

後部出入力ポートは左から、S/2 マウス/キーボード ポート、HDMI ポート、DisplayPort 1.2、USB 2.0 ポート、USB 3.1 Gen2 Type-A ポート、USB 3.1 Gen2 Type-C ポート、Realtek RTL8111H ギガビット LAN、USB 3.1 Gen1 ポート、HD オーディオコネクタ、となっている。オーディオコネクタは金メッキ端子を採用。

動作について

管理人が使用した限り、これと言って不安定になるようなことは無い。サブパソコンに組み付けて日常的に使用しているが、極めて安定しておりエラーやブルースクリーンは一切出ていない。Ryzen 9 3900Xと虎徹 Mark IIを取り付けて動作させているが、VRMの発熱は空冷クーラーであれば問題ない。

Ryzen 9 3900X

3600MHzオーバークロック対応のメモリ4枚を、XMPプロファイルを読み込ませただけの雑な設定で使用しているが、こちらも問題なく動作している。BIOSバージョンは最新の3.20にしている。

接続しているビデオカードやストレージ類、USB機器の動作もすこぶる順調。ここまでド安定なマザーボードは管理人は初めてである。自作PCをしていると、大抵は何かしら細かいトラブルや不具合があるのだが、B450 Steel Legendはそういったものが無い。これには大いに感動した。まぁ消費者としてはこれが当たり前なのだが。

気になる耐久性なのだが、まだ使用期間が短いので何とも言えない。ASRockは高耐久を売りにしているので問題ないだろう。

総合評価

○ 良いと思った点

  • 極めて安定した動作
  • 非常に高いコストパフォーマンス
  • 見栄えが良い

✕ 悪いと思った点

  • なし

 

このマザーボード最大の魅力はコストパフォーマンスの高さだろう。これだけ完成度の高いマザーボードが1万円ちょいで買えるのだ。Amazonでの現時点の価格はおよそ12000円で、エントリークラスに迫る価格である。スペックを考慮すると恐ろしいコスパである。環境次第では12コアのハイエンドCPUを普通に動作させられる。B450マザーボードの定番になるのも納得である。

そしてもうひとつ、動作が非常に安定しているということが挙げられる。どれだけ高品質なコンポーネントを使っていようが、スペックが高かろうが、動作が安定していなければストレスである。何も考えずにトラブル無く普通に使えるということはとても重要なのだ。まぁ安定し過ぎていると刺激が足らず物足りないと感じる人もいるかも知れないが。

Steel Legendシリーズは高耐久を謳ってはいるが、だからと言ってオーバークロックに向いているのかと言ったらそうではない。電圧を上げるとVRMの発熱が大きくなり、CPUによってはVRMヒートシンクに風を当ててあげないと冷却不足でサーマルスロットリングが発生する。そもそも、B450 Steel Legendはエントリークラスに近い位置付けのミドルクラスマザーボードなので、負荷の大きいハイエンドCPUを基準に考えるのは酷である。3700X定格クロックならパッシブ空冷で問題なく使用できるので、VRMの発熱は欠点にならないだろう。B450 Steel Legendは、通常使用において真価を発揮するマザーボードである。

べた褒めし過ぎてメーカーの回し者なのかと思われたくないので悪いところも探したが、これといって欠点が見当たらない。「ASRock B450 Steel Legend」は、間違いなくコスパ最強のマザーボードだ。

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