オーバークロック | ZPGBF https://www.zpgbf.jp Thu, 04 Feb 2021 10:39:22 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.3 https://www.zpgbf.jp/wp-content/uploads/2020/02/2020011702185841e-100x100.ico オーバークロック | ZPGBF https://www.zpgbf.jp 32 32 「AMD Ryzen 3 3100」オーバークロックしてみた! https://www.zpgbf.jp/ryzen-3-3100-overclocking/ Thu, 04 Feb 2021 10:33:57 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1990 エントリークラスのCPU「Ryzen 3 3100」でオーバークロックをしてみる。

Ryzen 3 3100の動作確認をしていたらCPU温度が低いことに気づいた。当たりCPUっぽい挙動を見せられたら我慢できるジサカーは少ないだろう。予備で購入したCPUだしオーバークロックをする気は全く無かったのだが、少し試してみることにした。

オーバークロックについて

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

まずは、どのようにオーバークロックするのか決める必要がある。最初に決めるのはコアの倍率であるが、全てのコアの倍率を同じにする方法がオーソドックスでありオーバークロックの基本である。今回は、全てのコアの倍率を同じにする方法で行う。

次に、コア電圧のモードであるが、これも何通りかある。メーカーによって各モードの呼び名は異なるのだが、今回はmsiマザーボードのUEFIを参考に説明してみる。

  1. Override Mode:コア電圧を常に一定にするモードで、UEFIで初期設定されているモードである。所謂、固定モードである。
  2. Adaptive Mode:コアクロックの状態により電圧が変動するモード。低負荷(クロックが低い)では電圧が下がり、高負荷(クロックが高い)では電圧が上がる。定格動作の自動だとこれと同じ状態になる。
  3. Offset Mode:既定値の状態からプラスもしくはマイナスのオフセット電圧を加えるモード。主に電圧を下げる目的で使用されることの多いモードであるが、電圧を下げると低負荷時やアイドル時に不安定になる。
  4. Override+Offset Mode:Override ModeとOffset Modeを合わせたものである。
  5. Adaptive+Offset Mode:Adaptive ModeとOffset Modeを合わせたものである。

基本的にオーバークロックは「Override Mode」が推奨されている。今回は、Override Modeに設定する。

第2世代以降のRYZENは「Precision Boost Overdrive(PBO)」という機能があり、冷却に余裕がある場合はオーバークロックが自動で働くようになっている。コアクロックを固定にする場合はUEFIでこの機能を無効にしておく。管理人の環境だと自動でも有効でも特に問題なく動作するのだが、念の為。

「Load-Line Calibration(LLC)」は安定性を重視するなら高めの設定で構わないが、管理人はマザーボード任せの自動にしている。補正が強いと発熱が多くなるので、冷却に余裕がない場合は低めの設定にしておくと良い。というより、冷却に余裕がないなら素直にコア電圧下げるかコアクロックを下げよう。

今回はコア電圧を固定にするので、省電力機能である「Global C-state Control」、ブースト機能である「Core Performance Boost」はそれぞれ無効にしておく。最近のマザーボードは頭がいいので両方自動のままでも特に問題なく動作するが、不安定になるようであれば無効にしておく方が良い。

下記の記事で画像付きで解説しているので、設定方法を見たい人はこちらを参考にして頂ければ幸いだ。

「AMD RYZEN CPU」オーバークロックの設定方法を解説
AMD RYZEN CPUの基本的なオーバークロックの設定方法を画像多めで解説するお!

また、オーバークロックが良く分からないという初心者向けに下記の記事で詳しく解説しているので、興味のある人は是非読んで頂きたい。

初心者向けのCPUオーバークロックとメモリのXMP設定方法
自作パソコンを作っている(使っている)人であれば、限界性能を引き上げるCPUのオーバークロックとメモリのXMP設定について気になる人は多いと思う。熟練のジサカーにとっては当たり前で簡単なことでも、初心者にとっては難しいもの。しかし、これらは...

オーバークロックしてみる

以下の表は、今回の検証で使用するパソコンの構成。クーラーは空冷最強の「NH-U12A」を使用するが、冷却性能が明らかにオーバースペックなので、ファンの回転数は800rpmで固定。グリスはいつもの「シミオシ OC Master SMZ-01R」ネコグリスを塗布してある。室温は22℃。検証方法は、ベンチマークソフトの「Cinebench R20」を5回程度連続で実行してみて、エラーが出なければOKとする。現在は「Cinebench R23」がリリースされているが、Ryzen 3 3100が発売したときはCinebench R20が主流だったので、比較しやすいようにR20を使用する。※画像はCPUクーラーにファンがひとつしか付いていないが、検証はふたつ付けて行った。まぁひとつでも温度は殆ど変わらんのだが。

パソコン構成
CPU AMD Ryzen 3 3100
CPUクーラー Noctua NH-U12A
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC(速度3600CL16)
マザーボード MSI MEG X570 UNIFY
電源ユニット Seasonic PRIME Titanium 1000W

まずは、コア電圧を1.200Vで固定し、コア倍率を42から上げていく方法で検証してみる。LLCに関しては、マザーボード任せの自動にしてある。

倍率42 電圧1.200V

倍率43 電圧1.200V

倍率44 電圧1.200V

全コア4.4GHzで問題なく動作した。すっごーい!

流石に1.200Vで全コア4.5GHzは無理かも知れないので、コア電圧を1.250Vに上げてみる。

倍率45 電圧1.250V

駄目かと思ったが普通に回ってしまった。しかもかなり安定している。ここまで試して気づいた点が、CPU温度が結構低いことである。このCPUなら全コア4.6GHzいけそうなので、次はコア電圧を上げて倍率46を試してみる。

倍率46 電圧1.325V

最初はコア電圧を1.300Vにしてみたが、5回ほどベンチ回したところでエラーが出てしまった。安定して通ったのはコア電圧1.325Vであった。CPU温度は70℃台前半に収まっているので、サーマルスロットリングが発生することは無いだろう。メモリ速度を2133MHzに落とせばOC耐性が上がってもっと回るかも知れないが、これは実用的な設定ではないのでやらない。

こちらは、スコアのランキング。ハズレ石でもコア電圧1.350V辺りにすれば4.3GHzで回るようなので、コスパを考えたらすごいCPUである。

次に、コア倍率45にしたときのコア電圧の下限を探ってみる。

倍率45 電圧1.200V

倍率45 電圧1.1875V

倍率45 電圧1.175V

コア電圧1.1625Vでベンチ中にエラーが発生。1.175Vまでならエラーが出る気配はないし、何度実行しても安定している。かなりの当たり石っぽい!?

コア電圧(V) CPU温度(℃) 消費電力(W)
1.325 72.4 81.6
1.250 68.5 71.9
1.200 62.0 64.6
1.175 58.5 60.8

結果を表にまとめてみた。全コア4.5GHzで常用するなら、コア電圧は1.200Vが良さそう。コア倍率47も試したいと思うのだが、コア電圧1.500V辺りまで上げないと厳しい気がする。そもそもバックアップ用で買ったCPUなので壊れても困るし、限界OCはまたの機会ということで。

「AMD Ryzen 9 3950X」オーバークロックしてみた!
【20/11/15 追加検証 UP】 手持ちのRyzen 9 3950Xがなかなかの当たりCPUっぽいので、今更ながら軽くオーバークロックしてみた。
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「G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-64GTZN」Ryzen 5000シリーズに最適なOCメモリを買ってみた! https://www.zpgbf.jp/f4-3800c18d-64gtzn-review/ Tue, 05 Jan 2021 03:49:23 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1756 「G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-64GTZN」Ryzen 5000シリーズ CPUに対応したオーバークロックメモリを買ってみたので軽くレビューしてみる。

F4-3800C18D-64GTZN-(EOL) - Overview - G.SKILL International Enterprise Co., Ltd.
Engineered and optimized for full compatibility on the latest AMD Ryzen platforms, Trident Z Neo brings unparalleled DRA...
G.Skill F4-3800C18D-64GTZN (DDR4-3800 CL18 32GB×2)
メーカー名:G.Skill (ジースキル)AMD Ryzen CPU・チップセット搭載マザーボードの構成に最適化されたTrident Z Neo シリーズAMD X570 チップセット (Ryzen 5000 シリーズ CPU)対応 64G...

特徴とスペック

AMD Ryzen CPU・チップセット搭載マザーボードの構成に最適化されたTrident Z Neo シリーズ
AMD X570 チップセット (Ryzen 5000 シリーズ CPU)対応64GB (32GBx2)メモリ

型番:F4-3800C18D-64GTZN
容量:64GB (32GB×2)
速度:3800MHz DDR4 (PC4-30400)
CAS Latency:CL18-22-22-42-2N
電圧設定:1.4 Volts
Registered/Unbuffered:Unbuffered
ECC:Non-ECC
タイプ:288-pin DIMM
発光色:Rainbow

管理人の元にあるのは「F4-3800C18D-64GTZN」で、CL18の64GBである。

CL18は「8GB×2」「8GB×4」「16GB×2」「32GB×2」の4種類。CL14は「16GB×2」のひとつのみ。CL16は「8GB×2」「8GB×4」「16GB×2」の3種類。レイテンシが低い方が処理性能が高いが高額になる。レイテンシの違いは体感し難いので、おすすめは「CL18」である。メモリOCが大好きなジサカーはCL14を買おう。

CL14とCL16のAmazonリンクは記事の最後に有り。

レビュー

パッケージとメモリ本体

代理店はオーバークロックワークスで、保証は手厚い。メモリ設定のマニュアルが付属しているので、初心者の人は参考になるだろう。

ブリスターパックにメモリ本体とステッカーが入っている。

見慣れたTridentZ Neoの外観。いつ見ても格好良い。

「F4-3800C18D-64GTZN」は右下の2枚。前世代のTridentZ Neoと比較しても外観は全く同じ。

動作させてみる

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

まずはUEFIにて、XMPプロファイルを適用した状態で動作した様子。

タスクマネージャーではちゃんと速度3800MHzで表示されている。

こちらはCPU-Zで確認した様子。察しの良い人ならお気づきだろう。メモリ動作モードが1:2になってしまっている事に。どうやらXMPプロファイルを適用しただけではInfinity Fabric Dividerが有効になってしまうようだ。

UEFIの設定

メモリ動作モード(Infinity FabricとDRAM Frequencyの比率)を1:1で動作させたいので、UEFIから設定を行うことにする。XMPプロファイルを適用した状態から、手動で少し設定を変更する。

「FCLK Frequency」というのがInfinity Fabricの動作周波数なので、これをDRAM Frequencyと同じ値の「1900MHz」に設定する。

何故メモリクロックの半分の値を設定するのかというと、DRAM FrequencyはDDR換算前の値なので、メモリクロックが3800MHzであればDRAM Frequencyは半分の1900MHzになる。Infinity FabricとDRAM Frequencyの比率を1:1で動作させるのであれば、FCLK FrequencyとDRAM Frequencyは同じ値にする必要がある。※DDRとは「Double Data Rate」の略称である。ダブルという名の通り、DDRメモリは1クロックで2回のデータ転送が可能となっている。

次に、メモリタイミングの設定。自動のままでも構わないが、手動で入力しても問題ない。XMPプロファイルのタイミングテーブル上では「tRC」は64になっているが、このマザーボードだと何故か87だった。気になる人は手動で適正な値を入力しても良いかも知れない。

メモリ電圧はXMPプロファイルと同じ1.40Vになっていたので自動のまま。

メモリモジュールのステータスを確認する場合は、下にある「MEMORY-Z」を選択する。

今回はふたつのスロットにメモリモジュールを取り付けているので、ふたつ表示されている。同じ型番のメモリであればどちらを選んでも同じステータスが表示される。

最初の画面ではデフォルト状態でのスペックが確認できる。XMPプロファイルを適用しない場合は、2666MHzで動作するようだ。XMPプロファイルのステータスやタイミングを確認するのであれば「XMP サポート情報」を選択する。

XMPプロファイルの内容を確認したいのであれば、ここを見ると良い。UEFIの設定は以上。メモリオーバークロックに関しては以下の記事で詳しく解説している。

「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」オーバークロックしてみたので設定方法を解説
「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」を2セット使ってオーバークロックしてみたので、UEFIの設定方法を簡単に解説してみる。

再起動をしてCPU-Zを確認。ちゃんとメモリ動作モードが1:1になっている。

第3世代以前のRyzenの場合、FCLKを1900MHzで安定動作させるのは至難の業で、CPUの個体によっては動作不可能なものもある。しかし第4世代RyzenではOC耐性が上がっており、1900MHzであっさり起動した。この状態で特に不安定になることはなく、ブルースクリーンも今の所出ていない。Windows メモリ診断で異常がないかを確認してみたが、こちらの個体は問題なしだった。不具合があればメモリ診断でほぼ確実にエラーが出るので、購入したらまずはメモリ診断を行うのが良い。メモリの安定性は使うCPUやBIOSによって異なるので、もし不安定になるようであればBIOSの更新を行ったり、別のCPUに交換するなりして対応しよう。

XMPプロファイルを適用した状態でFCLKを1900MHzに設定し、他は自動のままにして定番ベンチマーク「Cinebench R20」を実行してみた。何度実行しても安定している。

メモリチップの詳細について

Thaiphoon Burner

Thaiphoon BurnerでF4-3800C18D-64GTZNのメモリチップを確認してみた。H5ANAG8NMJR-VKC(2GB Hynix M-Die)が搭載されている。

Thaiphoon Burnerのダウンロードは以下のリンク。有料版があるが無料版で問題なく利用可能。

http://www.softnology.biz/files.html

メモリタイミングの手動設定

管理人はメモリタイミングの設定は基本的に自動にしているが、設定を詰めるのであれば手動で値を入力する必要がある。「DRAM Calculator for Ryzen」というアプリを利用すれば、ユーザーの環境に合ったメモリタイミングを自動で算出してくれる。

DRAM Calculator for Ryzenは正式に「Zen 3」に対応していないのか「Processor」の項目にないので、とりあえず「Zen 2」で入力する。「Memory Type」に「Hynix MJR」は無いので「Hynix CJR/DJR」を入力。3800MHzだと「Hynix MFR」と「Hynix AFR」はエラーが出て計算できない。

上記を入力して「SAFE」で計算してみるとスクリーンショットのような結果になった。これで安定動作するのかは不明。最終的に手動で調整する羽目になるかと思われる。利用する場合は自己責任で。

ダウンロードは以下のリンク。

DRAM Calculator for Ryzen v1.7.3 Download
DRAM Calculator for Ryzen helps with overclocking your memory on the AMD Ryzen platform. It suggests stable memory timin...

メモリの枚数

一般的なATXマザーボードはメモリスロットが4本あるので、最大4枚のメモリを取り付けることができる。エンスー向けCPUを除くメインストリームのCPUはデュアルチャンネルなので、パフォーマンスを追求するのであれば2枚取り付けるのが良い。4枚取り付けても問題なく動作するが、2枚構成と比較するとパフォーマンスが僅かに落ちる。メモリの合計容量が2枚で足りているのであれば、2枚構成がベストである。

発熱に関しても注意が必要で、TridentZ Neoのようなヒートシンクに厚みのあるメモリを4枚取り付けると放熱が悪くなり温度が高くなる。メモリの耐熱性は高いので多少温度が上がってもエラーが出たりすることはないが、低くできるなら低い方が良い。特にエアフローの悪いケースだとすぐに温度が上がるので、拘りが無いのであれば放熱に有利な2枚構成をおすすめする。まぁ一般的なオーバークロックメモリであれば電圧1.50V以下なので、余程電圧を上げない限りはあまり気にしなくても良いだろう。オーバーヒートさせる方が難しい。

まとめ

Ryzen 9 5950XとRyzen 9 3950Xのふたつの環境で動作確認をしてみたが、どちらでも非常に安定していた。今の所、UEFIが起動不能になることはないし、ブルースクリーンも一切出ていない。

Ryzen 5000シリーズ CPU対応と謳っているメモリはまだ少なく、オーバークロック仕様のメモリを探している人にとっては有力な候補になるであろう。CL18モデルであれば比較的安価なので、TridentZ Neoの定番モデルになることは間違いない。TridentZ Neoシリーズは管理人おすすめのメモリである。

CL14は「16GB×2」のひとつのみ。

CL16は「8GB×2」「8GB×4」「16GB×2」の3種類。

「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD!
シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。
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「Precision Boost Overdrive 2」の機能である「Curve Optimizer」の設定方法 https://www.zpgbf.jp/pbo2-curveoptimizer/ Fri, 01 Jan 2021 03:28:40 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1729 AGESA 1.1.8.0で追加された「Precision Boost Overdrive 2」で利用可能な「Curve Optimizer」機能の設定方法について。

Ryzen 5000シリーズで利用可能な「Precision Boost Overdrive 2」の提供が開始され、昨年12月下旬に各メーカーから新しいバージョンのUEFIがダウンロード可能になった。管理人の使用しているマザーボードもベータバージョンではあるが更新可能になったので、早速試してみた。UEFIの更新方法については各マザーボードのユーザーマニュアル等を参考にして欲しい。今回は、MSI MEG X570 ACE マザーボードを使用して解説する。

※UEFIの更新に失敗してもメーカー保証は受けられないので、更新する場合は自己責任で。
※ベータバージョンはサンプルのソフトウェアなので、日常使用するパソコンで利用するのはリスクが高い。利用する場合は自己責任で。
※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

「Curve Optimizer」の設定方法

まずはパソコンの電源を入れデフォルトキーを押してUEFIを開く。

Curve Optimizerは「Precision Boost Overdrive」を「Advanced」にすることで設定可能になる。

「Curve Optimizer」を選択する。

「Curve Optimizer」では、コアの設定とコア電圧の設定が行える。コアの設定は「All Cores」と「Per Core」のふたつが選択可能だが、「All Cores」で問題ないと思う。コア電圧を変更しないのであれば、設定はこれで完了。下の項目はそのままで構わない。

コア電圧の設定は、下げるのであれば「Negative」を選択する。上げるのであれば「Positive」を選択する。

下にある「Magnitude」という項目は、一般的にカウントと呼ばれる単位の値を入力する。1カウントで3~5mVの可変となっており、30まで設定可能。ここではとりあえず「Negative」を選択し「10」と入力した。つまり、30~50mV(?)の下げ設定である。

設定を終えたら保存して再起動をする。試行錯誤を繰り返して、最適な値を探ろう。

Curve Optimizerの設定方法については以上。

検証

軽く検証してみる。まずはBIOSを更新する前のデータ。CPUは「Ryzen 9 5950X」を使用。PBO有効の設定。

次に、PBO2有効 Curve Optimizer Negative 10カウントの設定。

スコアが若干上がっている。注目して欲しいのが赤く囲った消費電力の値で、コア電圧を下げる設定にしたにも関わらず若干上昇してしまった。BIOS自体の最適化が良くなってCPUのパワーを引き出せるようになり、そのせいで消費電力が上がったのかも知れない。ソフト読みなのであまりアテにはならないが。

こちらはベンチマーク中のスクリーンショット。なんとほぼ全てのコアが4475MHzで動作している。以前は4325~4375MHzだったので、BIOS更新しただけで100MHz程上がるようになった。CPU温度は殆ど変わっていないので、Curve Optimizerがちゃんと効いているのだろう。

次に、Negative 15カウントで試してみる。

スコアが少し上がったが、消費電力も上がった。色々と試しまくっていたのでCPU温度がヤバいが、90℃以下なので問題ない。カウントをある程度下げても不安定になることは無かったので、手動オーバークロックよりお手軽で確実だと思った。

ちなみに、カウント0だとコアクロックは4400MHzで動作するので、クロックを上げたいならカウントを下げる方が良い。下げ過ぎると不安定になる可能性があるので程々に。

補足

「Precision Boost Overdrive 2」を利用可能な条件は、「Ryzen 5000シリーズ」、「AMD 400/500シリーズチップセット」、「AGESA 1.1.8.0以降のBIOS」、この3つが条件となっている。

「Curve Optimizer」機能は「Precision Boost Overdrive 2」の中でも重要な機能である。どの程度電圧に余裕があるのかを常時システムに知らせており、負荷の軽いコアは電圧を下げ、その余力を別のコアに回している。簡単に言うと、無駄を無くし効率を高める機能である。言うまでもないが、効率が高まれば処理性能は上がる。

「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD!
シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。
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「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD! https://www.zpgbf.jp/ryzen-9-5950x-review/ Tue, 22 Dec 2020 13:13:43 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1697 シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。

https://www.amd.com/ja/products/cpu/amd-ryzen-9-5950x

Ryzen 5000シリーズ 主な仕様

Ryzen 5000シリーズ 主な仕様
モデル Ryzen 9 5950X Ryzen 9 5900X Ryzen 7 5800X Ryzen 5 5600X
アーキテクチャ Zen 3
製造プロセス 7nm CCD + 12nm IOD
Core Chiplet Die 2 1
コア数 16 12 8 6
スレッド数 32 24 16 12
L2キャッシュ 8 MB 6 MB 4 MB 3 MB
L3キャッシュ 64 MB 64 MB 32 MB 32 MB
ベースクロック 3.4 GHz 3.7 GHz 3.8 GHz 3.7 GHz
最大ブーストクロック 4.9 GHz 4.8 GHz 4.7 GHz 4.6 GHz
TDP 105 W 65 W
対応ソケット Socket AM4
価格 799ドル 549ドル 449ドル 299ドル

これらのRyzen 5000シリーズで純正CPUクーラーが付属するのは、Ryzen 5 5600Xのみである。この付属するクーラーは「Wraith Stealth」でLEDは搭載していない。他のモデルでは、別途CPUクーラーを用意する必要がある。12コアのRyzen 9 5900Xや、16コアのRyzen 9 5950Xは、フルで性能を発揮させるとかなり熱くなるようなので、高性能なクーラーを用意することをおすすめする。

Ryzen 9 5950X CPU-Zの表示

レビュー

パッケージとCPU本体

同梱物はガイド、ロゴステッカー、CPU本体のみ。

パッケージを比較してみる。前世代の3950Xや3900Xのパッケージは厚みのあるしっかりした箱で、上下に分割して開封するものであった。今回の5950Xのパッケージはただのボール紙パッケージで、非常に簡素化されている。中身の緩衝材も3950Xはウレタンスポンジだったが、5950Xはボール紙をX型に折り曲げたものだけでスカスカ。コスト削減に必死なのかも知れない。個人的にパッケージはどうでもいいのでコスト重視にするのは歓迎。

検証環境

以下の表は今回の検証で使用するパソコンの構成。5950Xは発熱が高いCPUなので、冷却は水冷で行う。室温は22℃。5950Xのアイドル温度は40~42℃辺りで安定している。Ryzen 3000シリーズでは、アイドル時に温度が上下する症状が見られたが、5950Xではそういった挙動は無い。

パソコン構成
CPU AMD Ryzen 9 5950X AMD Ryzen 9 3950X
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC(速度3600MHz)
マザーボード MSI MEG X570 ACE
ビデオカード MSI GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G
電源ユニット Seasonic PRIME Titanium 850W
PCケース Fractal Design Define 7

Cinebench R20で検証

超定番ベンチマーク「Cinebench R20」で検証してみる。冷却に余裕がある場合はオーバークロックが自動で働くPBO(Precision Boost Overdrive)という機能は無効にしてある。つまりデフォルト設定である。まずはシングルコアの性能から検証。

なんと600を軽く超える633ptsを記録。ちなみにCore i9-10900Kのシングルコアのスコアが520~530ptsなので、シングルスレッド性能で最強を謳っていた10900Kを大幅に上回る結果となった。注目して欲しいのはコアクロックのMaximum(最大値)で、5.0GHzを超えるコアが2個あり、他のコアもほぼ4.8GHz以上出ている。ほぼ全てのコアが最大ブーストクロックに近い周波数まで上がるのは凄いとしか言いようがない。手持ちの3950Xはここまで綺麗に張り付かないし、以前のRyzenでは考えられない挙動である。

続いてマルチコアのベンチマークで、スコアは9927ptsとなった。ベンチマーク中のコアクロックは全コア3.8GHzで動作していた。10000pts前後のスコアは、3950Xであれば全コア4.3GHzに相当するスコアである。シングルスレッド性能が向上しているので、当然マルチスレッド性能も向上している。

次にPBO有効で検証してみる。シングルコアのスコアはPBO有効でも変わらなかったので省略する。

スコアは10000超えの11249ptsを記録。気になるCPU温度は水冷でも82℃辺りなので、空冷であれば冷却性能の高いクーラーが必要かと思われる。16コアCPUの性能をフルで発揮させるのであればハイエンド空冷でも厳しいので、280サイズ以上のAIO水冷クーラーを用意することをおすすめする。

こちらはPBO有効でベンチマーク中に撮影したスクリーンショット。コアクロックとVIDに注目して欲しいのだが、全コア4.4GHz(正確には4375MHz)で動作し、VIDが1.23Vと低い。つまり、前世代と同じコア電圧でも、Ryzen 5000シリーズはより高いクロックで動作する。

※VIDとは、簡単に説明するとCPUがマザーボードに要求する電圧の値である。この値は製造段階で反映されるものであり各個体によって異なる。

Cinebench R20の結果をグラフにしてみた。マルチ=デフォルト設定、マルチPBO=PBO有効の設定。

3950Xと比較すると、5950XはPBOを有効にしたときのスコアが高い。PBO無効でも3950XのPBO有効を上回るスコアが出ている。5950XはPBO無効であれば発熱が少ないので、空冷でも十分に常用可能である。

21/1/2 追加検証

「Precision Boost Overdrive 2」を利用可能なBIOSに更新したので、再度検証を行った。詳しくは下記の記事で検証しているので、興味のある人は読んで頂きたい。

「Precision Boost Overdrive 2」の機能である「Curve Optimizer」の設定方法
AGESA 1.1.8.0で追加された「Precision Boost Overdrive 2」で利用可能な「Curve Optimizer」機能の設定方法について。

FF14 漆黒のヴィランズで検証

次に、みんな大好き「FF14 漆黒のヴィランズ」ベンチマークで検証してみる。品質設定は全て最高品質となっている。

検証した結果をグラフにした。1080p=フルHD解像度、1440p=WQHD解像度。

こちらはスコアのグラフ。3950Xと比べると凄まじい伸びである。3950Xのスコアを基準にした場合、5950Xはどちらの解像度でもほぼ130%の性能となっている。3950Xの性能は決して悪い部類ではないのだが。

こちらはフレームレートのグラフ。前世代のRyzenは高解像度には強いものの、フルHD解像度や低負荷のゲームにおいてはインテルに差を付けられていた。しかし、シングルスレッド性能が向上したRyzen 5000シリーズはこの問題を見事に克服している。特に、平均フレームレートが大幅に伸びており、最近のトレンドであるフルHD解像度+高リフレッシュレートモニターの組み合わせでは最適なCPUだと言える。

メモリ速度に関してだが、Ryzen 3000シリーズではInfinity Fabric(FCLK Frequency)が1900MHzを超えると不安定になったり上手く性能が出ないことが多かった。Infinity FabricとDRAM Frequencyの比率を1:1にするのであれば、メモリ速度は3600MHzが一番美味しいというのがRyzen 3000シリーズでの常識である。AMD曰く、Ryzen 5000シリーズでは1:1のままメモリ速度4000MHzで動作する可能性があると言っている。これは試さないわけにはいかないだろう。

管理人の環境では1:1にした状態でメモリ速度3800MHzに設定しても安定していることは分かっているので、この状態でベンチマークを走らせてみた。設定はフルHD解像度、最高品質。

SCORE: 28794
平均フレームレート: 214.6923
最低フレームレート: 79

スコアは28794で、メモリ速度3600MHzのときよりも確実にパフォーマンスが上がっていることが分かる。フレームレートも上がっており、オーバークロックの喜びが感じられる瞬間である。

続いてメモリ速度4000MHzを試そうとしたのだが、管理人の環境だとInfinity Fabric Dividerが有効になってしまい、無理やり手動で設定しても1:1で動作させることができなかった。メモリ自体は4000MHzでも安定動作しているので、CPUの個体差か、あるいはBIOSの最適化がまだ微妙なのかも知れない。

オーバークロックしてみる

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

全コア4.4GHzでのVIDは1.23Vなので、コア電圧は1.30Vであれば全コア4.6GHz辺りで回りそうである。とりあえずこの設定でオーバークロックを試してみる。

何事もなくベンチマークを完走。スコアは11893ptsを記録。

こちらはCPU温度等の様子。最大消費電力は260W、ベンチマーク中は250W辺りで動作していた。CPU温度が90℃を超えているので、この状態での常用はやや危険である。温度を下げるためにコア電圧の下限を探ったところ、1.26Vでベンチマークが完走することが分かった。常用するのであれば1.28V辺りが良いかも知れない。第4世代Ryzenは前世代よりも高クロックで回ることが分かる。

ちなみに、全コア4.7GHzを試そうと思ったが、コア電圧1.35Vに設定してもベンチマークは通らなかった。コア電圧1.30Vで既に90℃を超えているので、この先は極冷じゃないと厳しい。部屋の温度をかなり下げれば1.375V辺りでもいけると思うので、オーバークロックに関してはまた気が向いたら検証しようと思う。とりあえず、5950Xの壁は全コア4.7GHzだということが分かった。

もしかしたらハズレCPUかも知れない(´・ω・`)

「AMD Ryzen 9 3950X」オーバークロックしてみた!
【20/11/15 追加検証 UP】 手持ちのRyzen 9 3950Xがなかなかの当たりCPUっぽいので、今更ながら軽くオーバークロックしてみた。

総合評価

○ 良いと思った点

  • Core i9-10900Kを軽く上回るシングルスレッド性能
  • 同じコア電圧でも前世代より高クロックで動作する

✕ 悪いと思った点

  • オーバークロックの余地は相変わらず皆無
  • Ryzen 9 5950Xにおいては10万円を超えてしまった

 

シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenは、全くスキのない優秀なCPUだと言える。インテルの強みだったシングルスレッド性能も今回のRyzenは勝っており、弱点はオーバークロックの伸びしろが皆無な事くらいか。普通はオーバークロックなんてしないで定格で使用するだろうから、これは弱点と言う程でもない。逆に言えば、デフォルト状態で最高のパフォーマンスが発揮されるようになっていると言える。Ryzen 5000シリーズは、正に無敵のCPUと言って良いだろう。レビューなので欠点を挙げているが、この性能であれば十分満足できる価格設定である。管理人は、5950Xにおいては文句なしの星5つの評価を与えたい。

「G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-64GTZN」Ryzen 5000シリーズに最適なOCメモリを買ってみた!
「G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-64GTZN」Ryzen 5000シリーズ CPUに対応したオーバークロックメモリを買ってみたので軽くレビューしてみる。
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【雑記】「Ryzen 9 5950X」メモリオーバークロックが安定しないでござる https://www.zpgbf.jp/ryzen-9-5950x-memory-unstable-operation/ Sat, 19 Dec 2020 19:00:06 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1687 第4世代Ryzen環境でのメモリOCの安定性が悪いのでなんとかしたいお・・・。

能書き

先月発売された話題の第4世代Ryzenであるが、上位グレードは入手困難な日々が続いている。こういう新製品は、発売日に秋葉原に出向いてショップに並べば割と購入できる。しかし、コロナの影響があるので今回は外出しないでネット通販で購入した。そもそも生活に必須なものでもないしリスクを犯して急いで購入する必要は無い。予約して早めに届けばラッキー程度の気持ちでいたのだが、運が良いのか今月に入ってすぐに物が届いた。

購入したのは「Ryzen 9 5950X」で、第4世代Ryzenシリーズでは最上位グレードのCPUである。サブ用に「Ryzen 9 5900X」も予約しているのだが、こちらはいつになるか分からない。・・・え? インテル? 知らない子ですね。

https://www.amd.com/ja/products/cpu/amd-ryzen-9-5950x

届いてからというもの、5950X自体のオーバークロックやメモリのオーバークロックを試しているのだが、メモリの方がなかなか安定しない。メモリには相性(個人的に相性という表現は好まない)があるので、メモリが何枚かあるなら取り替えて試してみる方法が最も手軽である。手元に10枚ほど3600MHz辺りまでオーバークロック可能なメモリがあるので全部試してみたが、状況は変わらなかった。

管理人の場合、安定しないというよりはUEFI(BIOS)が起動しないという言い方が正しい。普通はパソコンの電源を入れれば何事もなくUEFIが起動するが、ひどいときはほぼ100%起動しなくなる。起動さえしてしまえばその後の動作に問題はない。オーバークロックをしなければド安定なので、普通に使用するのであれば全く問題ない。他のマザーボードに変えても症状は同じだったので、この時点でCPUかUEFIに問題があることが分かる。

使用しているAGESA BIOSバージョンは「AGESA ComboAm4v2PI 1.1.0.0 Patch C」で、正式に(?)第4世代Ryzenをサポートしているバージョンである。一応、前の1.0.8.0でも普通に起動はするのだが、性能を出すには1.1.0.0以降が良いとのこと。

バージョンを変更することでメモリ周りの安定性が向上する事は多いが、使用しているMSIマザーボードでは今現在1.1.0.0がひとつだけなので、このバージョンしか利用できない。こちらでできる事は、メモリ速度や電圧の設定である。AMD SMART ACCESS MEMORYを利用可能な最新のベータバージョンはあるので、何をやっても改善しないのであれば、最終手段でそのバージョンを試してみるつもりである。

ネットで情報を集めてみると、現在のバージョンではメモリ周りの安定性が悪いらしく、難儀している人もいるようだ。第3世代Ryzenが発売された直後も同じ状況だったので、安定するUEFIのバージョンがリリースされるまでは待つしかない。CPU自体が不良品の可能性はゼロではないので、早く5900Xが届いて欲しいところである。

※ベータバージョンはサンプルのソフトウェアなので、日常使用するパソコンで利用するのはリスクが高い。利用する場合は自己責任で。

メモリオーバークロックで試したこと

とりあえず、メモリオーバークロックで試したことは以下。

  1. 動作周波数を妥協する
  2. メモリ電圧を上げる
  3. メモリタイミングを緩める
  4. Infinity Fabric Divider を有効にする
  5. XMPプロファイルを利用しない

この5つである。主に使用するメモリはG.SkillのTridentZ Neoシリーズのメモリで、スペックはDDR4-3600MHz CL16-19-19-39 1.35Vとなっている。速度は3600MHzなので、今回はこの速度を目標にする。3600MHzであれば、メモリ動作モード(Infinity FabricとDRAM Frequencyの比率)を1:1にできるのでパフォーマンスが高い。3800MHzまで上げると安定させるのが難しくなるので、個人的に好むのは3600MHzである。メモリのオーバークロックやInfinity Fabricに関しては下記の記事で解説しているので、興味がある人は是非読んで頂きたい。

「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」オーバークロックしてみたので設定方法を解説
「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」を2セット使ってオーバークロックしてみたので、UEFIの設定方法を簡単に解説してみる。

結論だけ先に言うと、UEFIをAMD SMART ACCESS MEMORYを利用可能な最新のベータバージョンに更新することで問題はほぼ解消された。

動作周波数を妥協する

まず最初に試したのが、UEFIの設定において一番確実で手軽な方法であるメモリの動作周波数(メモリ速度)を妥協することである。これは2666や3200等の数値でメモリのスペックや型番に表記されていることが多い。値が高いほど動作周波数が高くなるので処理速度が上がる。当然であるが、高ければ高いほど安定させることが難しくなるので、この動作周波数を妥協して安定させようという試みである。

まずはXMPプロファイルを読み込ませてから再起動をする。この時点でマザーボードのデバッグコードに01や07が表示されてUEFIが起動しない、先が思いやられる。何度かリセットをすることで無理やりUEFIに入る。XMPプロファイルのままだと厳しいので、メモリ速度を3600から3200に設定し、他はXMPプロファイルのまま。この状態でもUEFIの起動に失敗することが多々あるので速度が原因ではなさそうである。2400や2666等、3000MHz以下であればUEFIの起動に失敗することはないし、第3世代Ryzenでは速度が4400MHzでも安定していたので、やはりUEFIに問題があるのだろう。マザーボードは正常である。

メモリ電圧を上げる

次に試したのがメモリ電圧の昇圧である。XMPプロファイルを読み込ませるとメモリ電圧が1.35Vに設定されるのだが、1.40Vや1.45Vを試してみた。速度も3600や3300を試してみたが症状は変わらず、UEFIの起動に失敗する。OSが起動してしまえば1.35Vでも安定しているので、メモリ電圧も原因ではなさそうだ。試しに秘蔵のメモリに差し替えて速度4400MHz電圧1.50Vで無理やり起動させてみたが、OS起動後の動作は極めて安定していた。

メモリタイミングを緩める

こちらも安定させるのに有効な手段である。メモリのタイミングはXMPプロファイルだと「CL16-19-19-39」となっているので「18-22-22-42」のように少し緩い設定に変更してみる。もっと緩い設定を試してみても状況は変わらなかったので、こちらも原因ではなさそうである。同時にメモリ速度や電圧を変えても状況は変わらない。

そもそも、UEFIが起動しないのは、速度、電圧、タイミングが原因ではないだろう。この程度の調整で改善するようであれば、XMPプロファイルを適用した状態で頻繁に起動不能に陥ることは無い。起動さえしてしまえば安定しているので、オーバークロックの設定に問題はないのだ。

Infinity Fabric Divider を有効にする

この方法はより高速なメモリで行うものなので、3600程度の速度で有効にすると、全体的にパフォーマンスが落ちる可能性がある。メモリ速度が3600MHzの場合、Infinity Fabric Dividerが無効であればInfinity Fabricは1800MHzとなる。Infinity Fabric Dividerを有効にするとInfinity Fabricは半分の900MHzとなる。とりあえず安定するのか試すだけなのでInfinity Fabric Dividerを有効にして試してみたが、こちらも大した効果は無かった。当然の結果である。

XMPプロファイルを利用しない

管理人がメモリオーバークロックで行う最終手段。XMPプロファイルを読み込ませずに手動で設定する方法である。手動とは言うものの、動作させたいメモリ速度を設定し再起動するだけである。他の設定項目はこちらで変更しなければマザーボードが安定する値に自動で設定してくれる。つまり、マザーボードに全部任せてしまおうという方法である。

XMPプロファイルは完璧ではないので、思い切ってマザーボードに任せることは割と重要である。管理人の経験上、XMPプロファイルを読み込ませるよりマザーボードに任せた方が安定性が高い。XMPプロファイルに拘りが無いのであれば、マザーボード任せにしてみるのも一興。

とりあえず、メモリ速度のみを3600に設定してみたが見事再起動に失敗。リセットを何回か押して無理やりUEFIを起動。メモリ電圧が1.35Vとなっていたので、1.40Vに昇圧。タイミング等他の項目はマザーボード任せの自動設定。他にも色々と試してみたが状況は変わらず。

ええ、分かっていましたとも。焼け石に水である。この程度で改善されれば苦労しないんだよなぁ。

番外:ベータバージョンのUEFIを利用する

一番やりたくない方法である。UEFIをベータバージョンに更新し、XMPプロファイルを利用せずに手動で設定を行う。設定内容は、メモリ速度を3600に設定し、他はマザーボード任せ。メモリタイミングがどうなっているか確認してみたところ、XMPプロファイルで読み込まれる値と同じ値が設定されていた。

ベータバージョンに更新することで問題が解消されたようで、数日この状態で使用しているがUEFIの起動に失敗することはなくなった。XMPプロファイルを読み込ませる設定にしたり、他のメモリに取り替えてみても、特に問題はなかった。

メモリ動作モードを1:1にしつつメモリ速度を3800MHzに設定しても安定している。CL16でも安定しているのは予想外だったが、不安定になるようであれば「3733 CL17-19-19-39」のような設定にしても良いだろう。しばらく様子を見て、問題があれば追記したいと思う。

ベータバージョンのUEFI更新内容は調べても分からなかったので、メモリ周りが改善されているのかは謎である。もしかしたら修正が入っているのかも知れない。ただ、メモリが安定しても他にどのような影響が出るのかはまだ不明、ベータだし。

まとめると、オーバークロックの設定やハードに問題はなく、UEFIが原因である。

「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD!
シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。
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「AMD RYZEN CPU」オーバークロックの設定方法を解説 https://www.zpgbf.jp/amd-ryzen-cpu-overclocking/ Wed, 14 Oct 2020 15:13:38 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=1009 AMD RYZEN CPUの基本的なオーバークロックの設定方法を画像多めで解説するお!

今回は、MSI MEG X570 UNIFY マザーボードを使用して解説する。UEFI各設定項目の名称はメーカーやモデルによって多少異なる場合があるので、良く分からなければググって調べよう。内容は基本的なことしか書いていないので、熟練のジサカーには全く無用の記事となっている。オーバークロックが意味不明な初心者の方は、下記の記事でオーバークロックの基本を解説しているので是非読んで頂きたい。

初心者向けのCPUオーバークロックとメモリのXMP設定方法
自作パソコンを作っている(使っている)人であれば、限界性能を引き上げるCPUのオーバークロックとメモリのXMP設定について気になる人は多いと思う。熟練のジサカーにとっては当たり前で簡単なことでも、初心者にとっては難しいもの。しかし、これらは...

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

UEFIの設定

パソコンの電源を入れたら、キーボードの「Default」を連打し、UEFIを開く。

UEFIを開くとこのような画面になる。

「OC」タブを選択すると、オーバークロック関連の設定項目が表示される。

最初に、CPUのコアクロックを設定する。UEFI上では「CPU Ratio」というのがそれで、この項目に入力する値はコアの倍率になる。CPUにはベースクロックというものがあり、現在のCPUの殆どは100MHzで動作している。つまり、ベースが100MHzなので、CPU Ratioを42にすれば、コアクロックは 100 x 42 = 4200MHzになる。4200MHz = 4.2GHz なので、倍率42であればコアクロックは4.2GHzということになる。

コア倍率を設定したら、次はコア電圧の設定。先程の画面からそのまま下の方にいくと「CPU Core Voltage」という項目がある。

CPU Core Voltageを選択すると、「自動」「Override Mode」「Offset Mode」「AMD Overclocking」の4つの項目が出る。基本的にオーバークロックは「Override Mode」が推奨されている。今回は「Override Mode」に設定する。適正なコア電圧が分からない場合は「自動」にしておけばマザーボードが安定する電圧を自動で調整してくれる。

※Override Mode:コア電圧を常に一定にするモードで、UEFIで初期設定されているモードである。所謂、固定モードである。

Override Modeを選択すると、その下にコア電圧を入力可能になるので適正だと思う電圧を入力する。キーボードのプラスとマイナスを押すと値が上下する。0.0125V刻みになるので、そこまで細かく調整はできない。今回は、1.2000Vと入力した。適正な値が分からなければ「自動」のままにしておき、OS起動後の低負荷及び高負荷状態のときのコア電圧をあとで確認すれば、大体の電圧が分かる。冷却に余裕がある場合は、コア電圧は自動にしておくことをおすすめする。安定するので。

第2世代以降のRYZENは「Precision Boost Overdrive」という機能があり、冷却に余裕がある場合はオーバークロックが自動で働くようになっている。コアクロックを固定にする場合は無効にしておく必要があるので、設定する場合は「Advanced CPU Configuration」を開く。

「Precision Boost Overdrive」が一番上にあるので無効にしておく。ブースト機能である「Core Performance Boost」もコアクロックを固定にする場合は無効にするのだが、このマザーボードだとCPU Ratioで倍率を手動で設定している場合は、グレーアウトして無効になる。マザーボードによっては自動や有効のままの可能性もあるので、ちゃんと確認しておく。

最後に、省電力機能である「Global C-state Control」を無効にする。「Advanced CPU Configuration」を閉じて、一番下にいくと「CPUの機能」があるのでこれを開く。

一番上に「Global C-state Control」があるので無効にしておく。

設定に間違いがないか良く確認したら、設定を保存して再起動する。オーバークロックに関する設定は以上。

ちなみに、管理人は「Precision Boost Overdrive」「Global C-state Control」は自動のままで使用しているが、特に動作が不安定になるといったことはない。最近のマザーボードは頭がいいので自動にしていれば勝手に調整してくれているのかも知れない。

動作確認 及び 検証

再起動が完了したら、モニタリングソフトでコアクロックやコア電圧を確認してみよう。

今回は、CPU Ratioを「42」、CPU Core Voltageを「1.2000V」と設定した。倍率42なので、コアクロックは4.2GHzとなっている。コア電圧はモニタリングソフトだと「VCORE」という項目で、1.208Vと表示されている。タスクマネージャーでも基本速度が4.2GHzとなっている。

動作の確認ができたら、実際にベンチマークソフトを実行してシステムが安定しているか検証する。

Cinebench R20 実行中

Cinebench R20 無事に完走した

1回だけでは信憑性に欠けるので、モニタリングソフトでCPU温度を見ながら何度か実行してみよう。CPU温度は90℃を超えるようだと危険なので、超える場合はコア電圧を下げるか冷却を強化する。Cinebench R20を10回ほどエラー無しで完走できるのであれば概ね安定している。コアクロックをそのままの状態にして、コア電圧を少し下げて試してみると良い。Cinebench R20がエラーで止まったりOSが起動しなくなったら電圧不足なので、今度は安定するまで電圧を上げる。

1.2000V → ベンチおk

1.1875V → ベンチおk

1.1750V → ベンチ止まったー

1.1625V → Windows起動しないお・・・

この場合、安定するコア電圧の下限は1.1875Vとなる。安定性を重視するなら1.2000Vが良いだろう。システムが安定しているならコア電圧は低いほど良い。コア電圧が下がれば消費電力も下がるし、CPU温度も低くなる。

モニタリングソフトは「HWMonitor」が定番。シンプルで使いやすいフリーソフトなのでおすすめ。負荷をかけるベンチマークソフトは「Cinebench」が定番。

HWMONITOR | Softwares | CPUID
HWMonitor for Windows® x86/x64 is a hardware monitoring program that reads PC systems main health sensors : voltages, te...
Cinebench
コンピュータのハードウェア性能を評価

まとめ

~RYZENオーバークロックUEFI設定方法まとめ~

  1. コアの倍率「CPU Ratio」を設定する。
  2. 電圧モード「Override Mode」を選択し、コア電圧を設定する。
  3. 「Precision Boost Overdrive」を無効にする。
  4. 「Global C-state Control」を無効にする。
  5. 「Core Performance Boost」を無効にする。マザーボードのモデルによっては、コア倍率が固定モードだと自動で無効になる。

これがRYZEN環境でのオーバークロックの基本的な設定方法になる。オーバークロックで速度が上がるのは見ていて楽しいのだが、逆にクロックを下げて省電力にする方法もある。ワットパフォーマンスを追求していくと、コアクロックは概ね3.4~3.6GHz、コア電圧は1.00V以下になる。この辺りがZen 2アーキテクチャの美味しいところなのだろう。エンコード専用マシンなんかだとワッパが優れる設定が良いかも知れない。自分に合わせて色々と試してみよう。

動作検証が甘いと感じる人がいるかも知れないが、管理人の経験上、Cinebench R20でエラーが出なければ日常使用に差し支えはない。もうひとつ定番で「OCCT」というソフトもあるが、通常ではあり得ないストレスをかける。石橋を叩いて渡るどころか叩き壊してしまう可能性もある。このソフトは余程のことがない限り不要というのが管理人の持論である。動作テストでパソコン壊してしまっては元も子もないだろう。

最後に、オーバークロック方法を解説しておいて言うのも難だが、基本的にRYZENは定格状態で最高のパフォーマンスを発揮するので、個人的にオーバークロックはおすすめしない。インテルと違いオーバークロックの伸びしろが無く、特にゲーム等ではRYZENのオーバークロックは逆効果になることもある。全体的にパフォーマンスを上げることは困難なので、拘りがないのであれば定格動作で使用するのが良い。

「AMD Ryzen 9 3950X」オーバークロックしてみた!
【20/11/15 追加検証 UP】 手持ちのRyzen 9 3950Xがなかなかの当たりCPUっぽいので、今更ながら軽くオーバークロックしてみた。
「AMD Ryzen 3 3100」オーバークロックしてみた!
エントリークラスのCPU「Ryzen 3 3100」でオーバークロックをしてみる。
「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD!
シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。
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「AMD Ryzen 9 3950X」オーバークロックしてみた! https://www.zpgbf.jp/ryzen-9-3950x-overclocking/ Tue, 13 Oct 2020 15:55:42 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=997 【20/11/15 追加検証 UP

手持ちのRyzen 9 3950Xがなかなかの当たりCPUっぽいので、今更ながら軽くオーバークロックしてみた。

AMD へようこそ
AMD は、ハイパフォーマンスでアダプティブなトップクラスのコンピューティング ソリューションを提供し、先進のデータセンター AI、AI PC、インテリジェント エッジ デバイス、ゲーミングなどを実現します。

オーバークロックをしようと思った経緯なのだが、最近ゲームをしていて3950Xのコアクロックがあまり上昇していないことに気づいた。このCPUのブーストクロックは最大4.7GHzなのだが、比較的重いゲームをしていても最大クロック4.5GHzであった。コアのひとつくらい4.7GHzになっても良いと思うが、何度確認しても4.5GHzである。

3950Xのシングルスレッド性能はRYZENの中では非常に高性能であるが、実際にクロックが上がらなければ意味が無い。まだまだ負荷が軽くて上がらないのか、元々上がりにくいのか、それとも管理人の環境が悪いのか不明である。コアクロックが4.7GHzに張り付かない原因を探るのも面倒なので、手動でオーバークロックしてみることにした。

全コア同一クロックでオーバークロックする場合、3950Xや3900Xのコアクロックは4.3~4.4GHzが壁になっているようで、ハズレ個体だと電圧盛々でもOSすら起動しない模様。3950Xや3900Xは選別チップだろうしハズレはなかなか無いとは思うのだが、ネットで調べるとたまにあるようだ。幸いなことに、管理人の元にある3950Xは軽く検証してみたら良い個体である事が判明した。

はじめに言っておくが、ブーストクロックである4.7GHzに拘っている訳ではない。3950Xの性能に不満はないし、そもそもシングルスレッド性能をそこまで求めていない。個人的には、全コア同一クロックであれば4.0~4.2GHz辺りで動作していれば十分だと感じる。

ちなみに、RYZENはマザーボード任せの自動設定にしておくと安定性を重視して電圧がかなり高くなる。電圧が高いということは、消費電力も高いということである。消費電力と発熱量は比例するので、当然CPU温度も高いということになる。電圧を適切に調整すれば、性能を殆ど下げずに消費電力を大きく抑えることも可能である。RYZENの発熱に閉口している人は色々と試してみるのも良いだろう。

オーバークロックしてみる

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

今回は3950Xで検証することにしたが、どのようにオーバークロックするのか決める必要がある。最初に決めるのはコアの倍率であるが、全てのコアの倍率を同じにする方法がオーソドックスでありオーバークロックの基本である。ツール等を利用すれば各コアの倍率を個別に設定することも可能であるが、コア数が多いCPUだと突き詰めるのが難しく時間もかかる。今回は全てのコアの倍率を同じにし、クロック周波数を固定にする方法で行う。

次に、コア電圧のモードであるが、これも何通りかある。メーカーによって各モードの呼び名は異なるのだが、今回はmsiマザーボードのUEFIを参考に説明してみる。

  1. Override Mode:コア電圧を常に一定にするモードで、UEFIで初期設定されているモードである。所謂、固定モードである。
  2. Adaptive Mode:コアクロックの状態により電圧が変動するモード。低負荷(クロックが低い)では電圧が下がり、高負荷(クロックが高い)では電圧が上がる。定格動作の自動だとこれと同じ状態になる。
  3. Offset Mode:既定値の状態からプラスもしくはマイナスのオフセット電圧を加えるモード。主に電圧を下げる目的で使用されることの多いモードであるが、電圧を下げると低負荷時やアイドル時に不安定になる。
  4. Override+Offset Mode:Override ModeとOffset Modeを合わせたものである。
  5. Adaptive+Offset Mode:Adaptive ModeとOffset Modeを合わせたものである。

基本的にオーバークロックは「Override Mode」が推奨されている。今回は、Override Modeに設定する。

第2世代以降のRYZENは「Precision Boost Overdrive(PBO)」という機能があり、冷却に余裕がある場合はオーバークロックが自動で働くようになっている。コアクロックを固定にする場合はUEFIでこの機能を無効にしておく。管理人の環境だと自動でも有効でも特に問題なく動作するのだが、念の為。

「Load-Line Calibration(LLC)」は安定性を重視するなら高めの設定で構わないが、管理人はマザーボード任せの自動にしている。補正が強いと発熱が多くなるので、冷却に余裕がない場合は低めの設定にしておくと良い。というより、冷却に余裕がないなら素直にコア電圧下げるかコアクロックを下げよう。

今回はコア電圧を固定にするので、省電力機能である「Global C-state Control」、ブースト機能である「Core Performance Boost」はそれぞれ無効にしておく。最近のマザーボードは頭がいいので両方自動のままでも特に問題なく動作するが、不安定になるようであれば無効にしておく方が良い。

下記の記事で画像付きで解説しているので、設定方法を見たい人はこちらを参考にして頂ければ幸いだ。

「AMD RYZEN CPU」オーバークロックの設定方法を解説
AMD RYZEN CPUの基本的なオーバークロックの設定方法を画像多めで解説するお!

また、オーバークロックが良く分からないという初心者向けに下記の記事で詳しく解説しているので、興味のある人は是非読んで頂きたい。

初心者向けのCPUオーバークロックとメモリのXMP設定方法
自作パソコンを作っている(使っている)人であれば、限界性能を引き上げるCPUのオーバークロックとメモリのXMP設定について気になる人は多いと思う。熟練のジサカーにとっては当たり前で簡単なことでも、初心者にとっては難しいもの。しかし、これらは...

オーバークロックの方法を決めたら、コアクロックとコア電圧を決める。コアクロックは3950Xの壁と言われている4.3GHzで固定し、コア電圧は1.30Vから徐々に下げていく方法で検証してみる。ベンチマークソフトの「Cinebench R20」を10回程度連続で実行してみて、エラーが出なければOKとする。

以下は、今回の検証で使用するパソコンの構成。室温は25℃で、まな板ケースではなく通常のケースに入れた状態で行う。クーラーは空冷最強の「NH-U12A」を使用する。グリスは「シミオシ OC Master SMZ-01R」ネコグリスを塗布してある。

パソコン構成
CPU AMD Ryzen 9 3950X
CPUクーラー Noctua NH-U12A
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC(速度3600MHz)
マザーボード MSI MEG X570 ACE
電源ユニット Seasonic PRIME Titanium 1000W

検証した結果のスクショを載せてみる。サイズが大きいので注意。

コア電圧 1.3000V

コア電圧 1.2875V

コア電圧 1.2750V

コア電圧 1.2625V

以下の表は、結果をまとめたもの。値は、何度か実行し平均に近いものを採用した。

最大CPU温度(℃) 最大消費電力(W) Cinebench R20 ワットパフォーマンス
1.3000V 93.9 215.8 10054 46.58
1.2875V 91.3 210.6 10030 47.62
1.2750V 89.8 204.2 10002 48.98
1.2625V 87.9 198.7 9944 50.04
1.2500V 86.5 193.9 Error
1.2375V OS起動不能

UEFIでのコア電圧は0.0125V刻みでの調整になる。管理人の環境だと、OSが起動するコア電圧の下限は1.2500Vで、1.2375Vでは起動しないことがあった。1.2500VではOS自体は起動するものの、Cinebench R20を動作させると途中で止まってエラーが出てしまうことがあった。Cinebench R20はそこまで負荷の高いソフトではないため、10~20回走らせて一度エラーが出るようだと安定しているとは言い難い。

CPU温度に関しては、Cinebench R20を連続で実行しているのでそれなりに高くなっている。ワットパフォーマンスは、Cinebench R20のスコアを最大消費電力で割ったもの。電圧が低くなるにつれてワッパが上がっている。環境によってデータにバラツキがあるだろうし、これらの値は参考程度にお願いしたい。

ちなみに、コア電圧1.2625Vで「Cinebench R15」も検証してみたが、動作に問題はなかった。

コア電圧 1.2625V

これらの結果を見ると、全コアのコアクロックを4.3GHzにした場合、安定動作するコア電圧の下限値は1.2625Vとなる。全コア4.2GHzでも、個体によっては1.30V以上を要求されるものがあるようなので、この個体はなかなか良い方だと思われる。LLCを一番安定する設定にすれば4.3GHz@1.25Vの設定でも問題なく使用できると思う。空冷でここまで回れば、水冷にすればもっと良い結果が出るだろう。

とりあえず、コアクロックを全コア4.3GHz、コア電圧は安定性を重視して1.2750Vで常用することにした。エンコードで長時間負荷をかけてテストしてみたが、CPU温度は85℃前後で落ち着いていた。3950Xは定格でもかなり温度が高いので、90℃を下回っていれば比較的安全であると言える。心配性な人は80℃を目安にすると良いかも知れない。ちなみに、定格動作(Precision Boost Overdrive有効)でCinebench R20を実行すると、クーラーがNH-U12AでもCPU温度は82℃辺りまで上昇する。

ついでなので、全コア4.2GHzのコア電圧の下限も探ってみた。

コア電圧 1.2000V

4.3GHzでの下限が1.26V辺りなので、4.2GHzなら1.20Vでも大丈夫だろうと適当に設定してみたが、これが当たりだった。コア電圧を1.1875Vに下げたところ、3回目のベンチテストでエラー。ダメ元で更に1.1750Vに下げたら、OS起動後にフリーズしてしまった。全コア4.2GHzでのシステムが安定するコア電圧の下限は、1.20Vという結果になった。う~ん、当たりCPUなのか良く分からん。

最大CPU温度(℃) 最大消費電力(W) Cinebench R20 ワットパフォーマンス
1.2000V 80.8 173.6 9719 55.98
1.1875V 79.0 166.4 Error
1.1750V OS起動後フリーズ
1.1625V OS起動不能

追加検証(20/11/15)

3950Xのオーバークロックであるが、空冷ではなかなか厳しいので水冷システムを組み込んだ。パソコン構成はCPUクーラーとGPUの変更のみで、他はそのまま。グリスは相変わらず「シミオシ OC Master SMZ-01R」ネコグリスを塗布してある。室温は23℃。

ラジエーターが「Black Ice Nemesis LS」で、その他のパーツは全てEKWBとなっている。GPUは空冷のままにした。360サイズと120サイズのラジエーター、120mm最強ファン「NF-A12x25 PWM」を搭載した。本格水冷用のラジエーターは同じサイズや厚みでも簡易水冷のものより放熱性が高いものが多い。Black Ice Nemesisも例外ではなく、ファンがしっかりしていれば高いパフォーマンスを発揮する。この構成だと冷却性能はオーバースペックかも知れない。

とりあえずコア倍率を44、コア電圧を1.3750V、LLCは自動に設定してCinebench R20を実行してみた。

全コア4.3GHzで常用していたコア電圧が1.2750Vだったので、適当に0.10V上げてみたがこれが正解だったようだ。コア電圧を1.3625Vにしたら、パソコンが温まっている状態では10回に1度程ベンチマークでエラーが出ることがあった。朝イチ冷えた状態では、1.3250Vでもベンチマークが通ることを確認したが、それは正確な検証ではないだろう。

最大CPU温度(℃) 最大消費電力(W) Cinebench R20 ワットパフォーマンス
1.3750V 91.8 249.1 10192 40.91

水冷でもコア電圧1.3750VではCPU温度が90℃を超えるので、これ以上は極冷じゃないと厳しいと思う。真冬の寒空で検証すればもっと行けると思うが、そんなことをするのはユーチ○ーバーくらいだろう。

LLCをレベル1(一番安定する設定)にすれば1.3500Vでも安定するので、これが全コア4.4GHzにしたときのコア電圧の下限値になる。しかし、CPU温度と消費電力は、LLC自動の1.3750Vのときより上昇してしまう。これは常用向きの設定ではないだろう。

結論を述べると、全コアのコアクロックを4.4GHzにした場合、LLCが自動であれば安定動作するコア電圧の下限値は1.3750Vとなる。

次に、全コア4.3GHzで再度検証をしてみる。今回は冷却に余裕があるので、空冷ではエラーが出ていたコア電圧1.2500Vから行う。

コア電圧 1.2500V

コア電圧 1.2375V

最大CPU温度(℃) 最大消費電力(W) Cinebench R20 ワットパフォーマンス
1.2500V(空冷) 86.5 193.9 Error
1.2500V 76.5 191.2 10024 52.42
1.2375V 76.5 188.2 10001 53.14
1.2250V 75.0 187.0 Error

流石に水冷は良く冷えるようで、空冷のときと比較するとCPU温度は10℃下がっている。1.2375Vまではベンチマークを何度実行しても安定していたので、常用するなら余裕を見て1.2500Vが良いだろう。1.2250Vだとベンチマークが強制終了したり、OSが起動時にフリーズすることがあった。LLCをレベル1にしても、消費電力とCPU温度だけ上がって状況はあまり変わらなかった。ベンチマークは若干通るようにはなったのだが・・・。

結論を述べると、全コアのコアクロックを4.3GHzにした場合、安定動作するコア電圧の下限値は1.2375Vとなる。

尚、前回の検証より室温が2℃下がっているが、個人レベルで環境を一定にするのは困難なので大目に見て頂きたい。

まとめ

~RYZENオーバークロックUEFI設定方法まとめ~

  1. コアの倍率「CPU Ratio」を設定する。
  2. 電圧モード「Override Mode」を選択し、コア電圧を設定する。
  3. 「Precision Boost Overdrive」を無効にする。
  4. 「Global C-state Control」を無効にする。
  5. 「Core Performance Boost」を無効にする。マザーボードのモデルによっては、コア倍率が固定モードだと自動で無効になる。

これがRYZEN環境でのオーバークロックの基本的な設定方法になる。

管理人の個体が当たりかどうなのかは微妙なところだが、悪い部類ではなさそうである。全コア4.4GHzでもコア電圧1.40V以下で回ったので、個人的には嬉しい。このCPUは長く愛用していきたいと思う。

11月5日に次世代のRYZENが発売されるので、入手できればこちらも検証しようと思う。

「Ryzen 9 5950X」AMD!AMD!
シングルスレッド性能を前世代よりも飛躍的に向上させた第4世代Ryzenを軽くレビューしてみる。
「AMD Ryzen 3 3100」オーバークロックしてみた!
エントリークラスのCPU「Ryzen 3 3100」でオーバークロックをしてみる。
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「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」オーバークロックしてみたので設定方法を解説 https://www.zpgbf.jp/tridentz-neo-3600c16d-oc/ Sun, 09 Feb 2020 22:15:45 +0000 https://www.zpgbf.jp/?p=309 「G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC」を2セット使ってオーバークロックしてみたので、UEFIの設定方法を簡単に解説してみる。

オーバークロックメモリに搭載されているXMPプロファイルはインテル独自のメモリオーバークロック規格であり、AMDプラットフォームでのオーバークロックに最適化されているとは言い難い。XMPプロファイルを適用したままでも問題なく動作することもあるが、たまに不安定になったりOSが起動しなくなることもある。こういった場合は、手動で調整を行う必要がある。メモリのオーバークロックはCPUのオーバークロックに比べて安定させることが難しく、初心者にはハードルが高い。

しかし、嬉しいことにG.SkillからAMDプラットフォームに最適化された「TridentZ Neoシリーズ」がラインナップされている。このシリーズはRyzen 3000シリーズCPU・AMD X570マザーボードの構成に最適化されたメモリである。今回は、このTridentZ Neoシリーズの「F4-3600C16D-32GTZNC」を2セット(16GB x4枚)使い、オーバークロックしてみる。

※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

XMPプロファイルを読み込ませたが問題発生

最初にXMPプロファイルを読み込んだ状態で起動してみた。メモリ合計は64GBになっており、4枚しっかりと認識されている。しかし、この状態でパソコンを起動をすると10回に3~4回程の割合でPOSTコード「8d」を表示したままフリーズしてしまう。UEFIを設定した後の再起動ではほぼ100%発生する。ググってみるとこの症状が出ている人(外国人の方)が何人もいるようだ。簡単に説明すると、マザーボードのメーカーを問わずUEFIに問題があるようだ。POSTコード8dはメモリのエラーである。ちなみに管理人の使用している「ASRock X570 Phantom Gaming X」マザーボードのUEFIバージョンは最新の2.70になっている。前のバージョンである2.10に変更しても症状は変わらず、更に前の1.80にするとXMPが適用された状態では毎回8dが表示され、UEFIすらまともに起動しなくなった。尚、この症状はXMPを読み込ませないデフォルト状態では起きない。

現状、安定しているのは2.10と2.70なので、メモリのオーバークロックを行うならこのどちらかにした方が良いかも知れない。

さて、オーバークロックを手動で調整するのだが、調整する項目は「DRAM周波数」「DRAM電圧」「SoC電圧」「レイテンシ調整」になる。この中で難しいのがレイテンシ調整だ。XMPを読み込ませたにも関わらずシステムが安定しない場合は、このレイテンシを調整することで安定することが多い。レイテンシとは、メモリのスペックにある「CL16-19-19-39」と書いてある値でタイミングとも言う。メモリ速度は2666や3200等、製品名や型番に書いてある事が多い。もちろんスペックを確認するのが確実である。メモリの性能を決めるのは「動作周波数」と「レイテンシ」である。動作周波数が高いほど高速で、レイテンシが低いほど高速になる。体感しやすいのは動作周波数の方であり、レイテンシの違いを体感することは難しい。

そして、レイテンシの低いオーバークロックメモリはかなり高額になる。競技や自己満足で性能を求めるのでなければ、レイテンシは妥協して良い。Ryzen 3000シリーズなら動作周波数3200~3800MHz辺りが一番美味しいと言われている。予算が限られている場合、レイテンシが高スペックなものより動作周波数が高いものを購入しよう。

「DRAM周波数」と「DRAM電圧」

最初に「DRAM周波数」と「DRAM電圧」を調整する。基本的にXMPプロファイルを読み込ませてから調整を行う方が楽。

調整するとは言うものの、これらは特に拘りがなければXMPで読み込まれた値のままで問題ない。DRAM周波数を4000MHz以上にするのであれば、DRAM電圧は1.400V以上にしないと安定させることが難しくなる。

「SoC電圧」の調整

XMPを読み込ませた状態では自動になっていたので、「固定モード(Fixed Mode)」を選択し、電圧は「1.200V」に設定した。このSoC電圧が自動のままだとシステムが不安定になることがあるので、安定性を重視するならこのように設定した方が良い場合もある。電圧の範囲は、デフォルト値から1.200Vが一般的に良いとされている。「F4-3600C16D-32GTZNC」は、XMPを読み込ませたままの状態だと、SoC電圧はソフト読みで1.194Vになっていた。

このメモリではロードラインキャリブレーション(LLC)がXMPプロファイルでは「レベル1」になる。ASRockの場合はレベルが低いほど電圧降下が少なくなる。つまり、レベル1は一番安定する設定ということになる。分からなければ「自動」にしておく。管理人の環境だと自動にするとレベル3になった。当然だが、電圧が上がると発熱が多くなるし、CPUやマザーボードへの負荷も大きくなる。バランスを考えて調整しよう。

SoC電圧は1.200Vであれば比較的安全な電圧だが、気になるのであれば徐々に電圧を落として下限値を探る方が良い。オーバークロックに不慣れの人であれば、いきなり1.200V付近に設定するのは危険なので、最初は1.100V辺りから徐々に電圧を上げていく方法が安全だ。

実際にステータスを確認したいのであれば、このようなモニタリングソフトを使用するのが良い。

Just a moment...

「レイテンシ」の調整

メモリオーバークロックのキモであるレイテンシの調整。ASRockマザーボードでは「タイミング設定」という項目。調整するのは「tCL(tCAS)」「tRCDRD」「tRCDWR」「tPR」「tRAS」「tRC」の項目。これらの名称はマザーボードによって多少変わるのと、調整可能な項目がこのスクショのものより少ない場合がある。

レイテンシのイメージをエクセルで分かりやすくしてみた。メモリにはデータを記憶している素子があり、読み書きする場合はこの素子の場所を示す行と列を指定してアクセスする。大雑把に言うと、レイテンシとはそれぞれの動作にかかる時間のことである。

行を指定 列を指定 データ読み書き アクセス終了 別の行へ
tRCD tCAS tRP
tRAS

システムが安定しているのであればXMPプロファイルで読み込まれた値のままで問題ないが、管理人のように不安定になる場合は手動で調整を行う。XMPを読み込むと「16-19-19-19-39」となるので、手動でスクリーンショットのような大きめの値「18-22-22-22-42」を入力した。tRCが何故か自動のままだったので、こちらも適切な値を入力する。tRCは、tRAS + tRP で算出するので「42+22=64」となる。tRCDRDとtRCDWRは同じ値で良いと思う。

ちなみに、これらの値は同シリーズのひとつ下位のモデルである「F4-3600C18D-32GTZN」と同じ。SoC電圧を調整すれば「CL16-19-19-39」でも問題なく起動することを確認したが、安定性を重視して「CL18-22-22-42」にした。このように、レイテンシを緩めるのであれば下位モデルの値を参考にするのが手っ取り早くておすすめ。逆に、更にオーバークロックしたい場合は上位モデルの値を参考にすれば良い。レイテンシが理解不能であれば、これらは「自動」にしておけばマザーボードが安定する最適な値に調整してくれる。

ここまで解説した設定で数日使ってみたが、とても安定していた。POSTコード8dは一切出なくなった。特に拘りが無いのであれば、このような緩い設定でも良いだろう。

取り付けているメモリのXMPプロファイルで設定されているレイテンシは「CPU-Z」で確認可能。「Timings Table」にある「XMP-3602」の項目が、このメモリのXMPで設定されるレイテンシとDRAM電圧になる。

「F4-3600C16D-32GTZNC」SPDをCPU-Zで確認した様子

実際に設定したレイテンシ

CPU-Z | Softwares | CPUID
CPU-Z for Windows® x86/x64 is a freeware that gathers information on some of the main devices of your system : Processor...

「Infinity Fabric Divider」について

次に「Infinity Fabric Divider」について解説する。第2世代RyzenまではInfinity Fabricとメモリ動作周波数が同期されており、メモリ動作周波数を高く設定できてもInfinity Fabricが先に動作周波数の限界に達してしまう。つまり、メモリのオーバークロックがやり難いということになる。この問題を解決するのに第3世代Ryzenでは「Infinity Fabric Divider」という機能が追加された。これはInfinity Fabricの動作周波数をメモリ動作周波数の半分で動作させる機能である。Infinity Fabric Dividerが有効であれば「1:2モード」、無効であれば「1:1モード」になる。ここまで説明すると予想できると思うが、メモリ動作周波数が同一であれば、1:2モードより1:1モードの方がInfinity Fabricの動作周波数が高速なので性能が高いということになる。

上記のスクショを見て欲しい。「NB Frequency」が「DRAM Frequency」の半分の値になっている。比率で言えば1:2となっており、これはInfinity Fabric Dividerが有効の状態(1:2モード)になっていると言える。

この比率はUEFIで手動で1:1にすることが可能。Infinity Fabric Dividerの有効と無効を切り替える項目はないので、ASRockマザーボードの場合は「Infinity Fabric Frequency and Divider」の項目で、手動で適切な値を選択する。メモリの動作周波数を3600MHzで動作させる場合は半分の1800に設定する。ひとつ注意点があり、メモリの動作周波数が3800MHzを超えるとRyzenの仕様で1:2モードになってしまう。つまり、1:1モードの上限のメモリ動作周波数は3800MHzということになる。

Infinity Fabric DividerはXMPを読み込ませても自動のまま

しかし、比率が1:2になったからといって体感できるほど性能が下がることはない。あまり気にしない人であれば1:2のままでも問題ないだろう。1:1で設定を詰めるとCPUの負担も増す気がするので、管理人は3733MHz以上のOCでは1:2モードのまま使用している。3600MHzまでなら1:1にしても安定する場合が多いので、気になる人は手動で設定してみると良いだろう。4000MHz程度だと、3600MHzの1:1モードの方がパフォーマンスが高い場合が多い。管理人のおすすめは、3600MHzの1:1モードである。

レイテンシやInfinity Fabric等に関しては、管理人は最低限の知識しか持ち合わせてないため専門的な解説はできない。詳しく知りたい方は解説しているプロのサイトを参考にした方が良い。

少し詰めた設定にしてみる

Infinity Fabric Dividerを1:1モード、メモリクロック 3600MHz、レイテンシをXMPプロファイルと同じ値の CL16-19-19-39、SoC電圧 1.200V(LLCレベル3)で動作させてみた。

ド安定です、ありがとうございます。

X570マザーボードでもメモリ4枚をXMPプロファイルと同等のスペックで安定させることは難しい。なかなか上出来ではなかろうか。

ちなみに、検証はOCCTを30分程実行した方が良い気もするが、面倒なのでCinebench R20を連続実行してスコアが安定していれば良しとした(´・ω・`)

まとめ

これらの解説した設定で、3600MHzメモリ4枚を安定動作させることに成功した。元の設定からある程度レイテンシを緩めれば、余程の事がない限り不安定になることは稀。これで安定しないのであれば、更にレイテンシを緩めるか、メモリ動作周波数をワンランク落とせば良い。

簡単な解説であったが、AMD初心者の方の参考になれば幸いだ。インテルプラットフォームに関しては、XMPプロファイルを読み込めば殆どの場合調整無しで安定動作する。AMDプラットフォームでは、XMPプロファイルを読み込んだままだと不安定なことが多い。特に、動作周波数が高クロックになると安定する設定を探るのがインテルに比べて難しいので、ある程度妥協が必要なときもある。例えば、3200MHzで安定動作させたいなら、3600MHzのメモリにすれば良い。スペックに余裕のある選択をすれば安定動作も容易になる。

管理人は現状3600MHzのメモリをそのまま3600MHzで動かしているが、数日安定しているのを確認したら3200MHzに下げるつもり。安定しているというのは何よりも重要なことなのだ。

【追記:2020/3/25】

設定を下げずにしばらく3600MHzで使用していたが、マザーボードが微妙なのか稀に「8d」エラーが発生していた。3200MHzに落とせばエラーの頻度は落ちるが、それでも不安定に変わりない。CinebenchやOCCTを実行してもOS自体は不安定にはならないのだが。結局マザーボードを別のものに交換することでこの問題は解消された。XMPプロファイルだけ読み込ませた設定でもエラーは全く出ずに安定している。マザーボードが原因でメモリが安定しないことは良くあるので、思い切った行動も必要である。

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初心者向けのCPUオーバークロックとメモリのXMP設定方法 https://www.zpgbf.jp/overclocking-xmp-beginner/ Mon, 13 Jan 2020 15:00:00 +0000 https://www.zpgbf.jp/%e5%88%9d%e5%bf%83%e8%80%85%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%aecpu%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%a8%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%aa%e3%81%aexmp%e8%a8%ad%e5%ae%9a/ 自作パソコンを作っている(使っている)人であれば、限界性能を引き上げるCPUのオーバークロックとメモリのXMP設定について気になる人は多いと思う。熟練のジサカーにとっては当たり前で簡単なことでも、初心者にとっては難しいもの。しかし、これらはちゃんと理解できれば非常に簡単。今回は、初心者でもオーバークロックを楽しめるように、必要最低限の項目を変更してオーバークロックする設定方法を解説しようと思う。


※オーバークロックはメーカーや代理店の動作保証対象外になるので自己責任で行うこと。

オーバークロックの概要と対応しているCPUについて

まずはこれを理解していないとお話にならない。オーバークロックの概要と対応しているCPUについて解説。
オーバークロックはCPUやメモリ等の動作周波数(クロック周波数)を調整する行為である。動作周波数とは、回路が処理の歩調をあわせるために用いる信号が、1秒間に何回発生するかを示す値のことである。この動作周波数を高くすれば、処理性能も上がる。基本的に、CPUの性能はコアクロックとコア数が多い程高性能であり、生産コストも高くなる。

現在では、インテルとAMD共にオーバークロックを行うには倍率の変更で行う。倍率というのはそのままの意味で、36や50のように数字が大きくなるほど倍率も高くなる。CPUにはベースクロックというものがあり、現在のCPUの殆どは100MHzで動作している。つまり、ベースが100MHzなので、倍率50にすれば、コアクロックは 100 x 50 = 5000MHzになる。5000MHz = 5.0GHz なので、倍率50であればコアクロックは5.0GHzということになる。この倍率はCPUの各コアに設定されており、それぞれのコアの倍率を変更したり、全てのコアの倍率を同一にすることもできる。

CPUには最大ブースト・クロックというものがあり、これが最大で動作するクロックになる。一部のモデルを除き、全てのコアがこの最大ブースト・クロックで動作するわけではなく、例えば、6コアCPUであれば46、44、42、40、40、40のような倍率設定になっており、最大ブースト・クロックで動作するコアは限られている。このデフォルトの倍率設定はCPUのモデルによって異なる。

一般的に、CPUのオーバークロックは最大ブースト・クロックを引き上げることを指し、全てのコアを同一の倍率に変更する人が多い。全コア5.0GHzとか言うような場合、全てのコアのコアクロックが最大5.0GHzで動作するように設定していることである。つまり、倍率の設定は全てのコアが50になっているということになる。この方法は簡単かつお手軽で、オーバークロックの基本と言える。

インテルのCPUの場合「Core i9-9900K」のように製品名に「K」が付いているものがある。これは所謂「K付きモデル」と言われているもので、倍率ロックフリーモデルになる。このK付きモデルが倍率の変更を行えるようになっており、K無しモデルでは倍率の変更は行えない。別の言い方をすれば、K無しモデルはオーバークロックができないということになる。しかし、ベースクロックの変更は可能なので、K無しモデルでもオーバークロックをすることは可能。ベースクロックを変更するオーバークロックは熟練者向けなので、初心者が手を出すのは危険でありおすすめしない。オーバークロックをしたいのであれば、インテルのCPUならK付きモデルにする必要がある。インテルのハイエンドモデルである「Core i9-9900X 」等の「X」の付いているCPUもK付きと同様で、こちらも倍率ロックフリーモデルになる。AMD Ryzenシリーズは全ての製品が倍率ロックフリーモデルなので、こちらもオーバークロックは問題なく行える。

IMG_5124.jpg
AMD Ryzen 9 3950X

IMG_5287.jpg
Intel Core i9-9900KF

インテルについてはマザーボードも注意が必要。チップセットには種類があり「Z390」や「Z370」等のZが付いているものと、ハイエンドモデルでは「X299」等のマザーボードでないとオーバークロックには対応していない。「H370」や「B360」のマザーボードを買ってきてもCPUのオーバークロックはできないのだ。メモリのオーバークロックに関しては「H370」や「B360」ではクロックは2666MHzまでとなる。この2666MHzというのはCPUの方でネイティブ対応しているクロックである。

オーバークロック可能 : 「Z390」「Z370」「Z270」「X299」「X99」など
オーバークロック不可 : 「H370」「H310」「H110」「B360」「B250」など

AMD環境でのオーバークロックの設定方法は下記の記事で解説している。

「AMD RYZEN CPU」オーバークロックの設定方法を解説
AMD RYZEN CPUの基本的なオーバークロックの設定方法を画像多めで解説するお!

CPUのオーバークロック設定

今回はASRockマザーボードで解説する。パソコンの電源を入れ、Defaultキー連打(長押しのものもある)でUEFI(BIOS)を開くと下のような画面が出る。

200113224845.jpg

一般的なモデルのマザーボードであれば、このような「イージーモード」の画面が出る。この画面からは基本的な情報の確認や、ファンコントロールの設定等が行える。詳細モードへ入るにはF6キーを押す。

200113224902.jpg

こちらが詳細モードの画面。ゲーミングモデルのマザーボードはイージーモードが存在せず、最初からこの画面に入るものがある。

200113225511_1.jpg

まずはCPUのオーバークロックの設定。「メイン」タブの右隣にある「OCツール」を開き、赤く囲った「CPU 設定」を開く。

200113225330_1.jpg

このような画面に切り替わる。設定する項目は赤く囲った部分のみ。デフォルト設定では「CPU レシオ」が「自動」になっており「ALL Core」の項目は出ていない。「CPU レシオ」を「すべてのコア」に変更すると「ALL Core」が出現するので、この項目を選択し、好みの数値をキーボードの数字キーで入力する。画像では50にしたが、最初は最大ブースト・クロックと同じ倍率で始めるのが良い。

Ryzenだと、最大ブースト・クロックの倍率を入力してもほぼ100%起動しないかベンチマークで落ちるので、オーバークロックをしないで定格動作で使用することをおすすめする。Ryzenはオーバークロックでの伸びしろが殆ど無いので、インテルのように容易くオーバークロックできないのだ。
入力し終わったら、エスケープキーを押して前の画面に戻る。

200113225511_3.jpg

次に「電圧設定」の項目を開く。

200113225425_1.jpg

こちらも設定する項目は赤く囲った部分のみ。「CPUコア/キャッシュ電圧」で「固定モード」を選択すると、「固定電圧(V)」が出現する。今回は「1.250」と入力した。最適なコア電圧が分からなければ「CPUコア/キャッシュ電圧」は「自動」のままで問題ない。自動(Auto)にしておけばマザーボードが最適な電圧を調整してくれる。

しかし、自動にしておくと負荷時に安定性を重視して必要以上に電圧が上昇するので、定格動作に比べて消費電力が増し、かなり発熱するようになる。マザーボードにもよるが、各項目の数値は危険な値を入力すると赤色やピンク色で表示される。このマザーボードの場合は赤色で表示されるのだが、1.250V辺りであれば全く問題ないということになる。黄色の数値は注意すれば比較的安全なので気にする必要はない。ただ、マザーボードはCPUクーラーの冷却性能に関しては無視しているので、コアクロックやコア電圧に関しては、自分で最適な値を探る必要がある。

CPUのオーバークロック設定はこれで終わり。他の項目を変更しないのであれば「出口」タブを開いて、設定を保存して再起動する。

何度も設定をやり直し、モニタリングソフトを観察していると、使用しているCPUの最適な値が分かって来ると思う。モニタリングソフトは「HWMonitor」が定番。シンプルで使いやすいフリーソフトなのでおすすめ。負荷をかけるベンチマークソフトは「Cinebench」が定番。

HWMONITOR | Softwares | CPUID
HWMonitor for Windows® x86/x64 is a hardware monitoring program that reads PC systems main health sensors : voltages, te...
Cinebench
コンピュータのハードウェア性能を評価

動作倍率を決めた後、コア電圧を下げていってベンチマークソフトが安定しなくなったら、そこがコア電圧の下限になる。例えば、1.25Vで安定していて、1.23Vでスコアが落ち込んだりフリーズしたら、1.24~1.25Vが最適なコア電圧になる。安定性を取るのであれば、下限から0.02V程上げた値が良いだろう。

メモリのオーバークロック設定

XMPに対応したオーバークロックメモリの設定。

200113225511_2.jpg

「OCツール」タブの「DRAM 設定」を開く。

200113225530_1.jpg

「XMP 設定の読み込み」で希望のプロファイルを選択する。大抵はひとつしかプロファイルがないのだが、たまに数種類入ってるメモリもある。

「出口」タブを開いて、設定を保存して再起動する。メモリのXMP設定はこれで終わり。

200113225753.jpg

こちらは再起動してUEFIを確認したもの。しっかりとXMPプロファイルが反映されており、メモリクロックが3600MHzになっていることが確認できる。

大抵はXMPプロファイルを有効にした状態で常用していて問題ないが、メモリの各電圧を手動で最適な数値に設定する方が良い場合もある。これについては下記の記事で解説している。

「VCCIO Voltage」「VCCSA Voltage」電圧設定について解説
オーバークロックメモリのXMPプロファイルを有効にした場合のメモリ電圧設定について解説。

まとめ

簡単なオーバークロックであれば設定する項目は少ないので、初心者でも十分に楽しめると思う。
ハイエンドCPU(エンスー向けを除く)のオーバークロックだと、CPUクーラーに関しては最低でも「サイズ 虎徹 Mark II」以上の性能が無いと厳しい。特に「Core i9-9900K」や「Core i9-10900K」だと虎徹では完全に冷却不足になるので、より上位のCPUクーラーが必要になる。

単にオーバークロックを楽しみたいのであれば、ハイエンドCPUでなくとも「Core i3-9350KF」「Corei5-9600K」「Core i5-10600K」があるので、こちらを選んでも良い。これらのCPUはクーラーの性能がそれほど高くなくてもオーバークロックを楽しめる。

Ryzenは全コアを最大ブースト・クロックと同等に回そうとすると、間違いなく極冷環境が必要になる。空水冷だとRyzenは全然回せないので、オーバークロックを楽しみたいのであればインテルを購入しよう。
ひとつ注意なのだが、「Core i9-10900KF」等の「F」が付いているものはCPUにGPUが内蔵されていないので、映像出力をするのに別途ビデオカードが必要になる。これにはひとつメリットが有り、GPUが内蔵されていないのは、微妙な差ではあるがオーバークロックに有利だと言われている。ビデオカードを持っていてCPU内蔵GPUが不要であれば、KFモデルを買う方が良いだろう。

「AMD Ryzen 9 3950X」オーバークロックしてみた!
【20/11/15 追加検証 UP】 手持ちのRyzen 9 3950Xがなかなかの当たりCPUっぽいので、今更ながら軽くオーバークロックしてみた。
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